太陽地球系におけるエネルギ-及び運動量輸送の計算機シミュレ-ションとモデリング

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63302018
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 松本 紘 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (00026139)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 山本 隆 東京大学, 理学部地球物理研究施設, 助手 (40143375) ; 三浦 彰 東京大学, 理学部地球物理研究施設, 助手 (20126171) ; 寺沢 敏夫 京都大学, 理学部地球物理学教室, 助教授 (30134662) ; 荻野 竜樹 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00109274) ; 大村 善治 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (50177002)
• Keywords: 太陽地球系のエネルギ-輸送 / 計算機シミュレ-ション / 粒子コ-ド / MHDコ-ド / 非線形波動 / ケルビン・ヘルムホルツ不安定 / 磁気再結合 / 衝撃波

Research Abstract

平成元年度に行われたシミュレ-ションの結果を研究代表者、及び分担者が持ち寄り、そこに見いだされる物理機構と、その現象が太陽ー惑星系の各領域で果たす役割について、これまでの知見を考慮しながら討論検討を行った。また、その際指摘された種々の問題点を、各分担者において点検を行い、それらの問題点を解決するために必要と考えられるシミュレ-ションを行った。太陽地球系のエネルギ-及び運動量輸送に関する計算機シミュレ-ションの具体的な成果を以下に掲げる。(1)彗星起源の水系イオンと太陽風との非線形相互作用についてハイブリッドコ-ドを用いたシミュレ-ションが行われ、波動ー粒子相互作用で励起された低周波プラズマ波動は、外部磁場に対して十数度の伝搬角をもつモ-ドが最も優勢になることが確認された。(2)太陽風ー地球磁気圏相互作用について3次元電磁流体コ-ドによるシミュレ-ションが行われ、地球磁気圏前面、及び尾部における磁気ロ-プやプラズモイドの形成過程、その特徴について3次元的な定量的評価が得られた。(3)磁力線再結合についての電磁流体シミュレ-ションにおける数値計算手法の検討が行われた。(4)ハイブリッドコ-ドを用いた準平行衝撃波のシミュレ-ションが行われ、それによるイオンの反射、散逸機構が明らかにされた。(5)磁気圏境界層における高速シア-流によるケルビンヘルムホルツ不安定の時間発展と空間構造が明らかになった。(6)磁気圏におけるホイスラ-波と電子との相互作用によるVLFトリガ-ドコミッションについて、電磁粒子シミュレ-ションによってその時間発展と励起原因が明らかになった。これらのシミュレ-ション結果は、昭和63年度に決定された標準出力に従って作成した図形デ-タファイルとして出力された。研究代表者、各分担者は、学会講演また学術誌投稿によって、各々の分担テ-マの成果を発表した。

Research Products

• [Publications] 鵜飼 正行: "陽的差分による3次元電磁流体シミュレ-ションのス-パ-コンピュ-テング" 情報処理学会論文誌. 31. 16-23 (1990)
• [Publications] 三浦 彰: "KelvinーHelmholtz Instability for SuperーSonic Flow at the Magnetospberic Boundary" Geophysical Research Letters. 17. 749-752 (1990)
• [Publications] 荻野 竜樹: "Magnetic Flux Ropes in 3ーDimensional MHD Simulations" Geophysical Monograph. 58. 669-678 (1990)
• [Publications] 大村 善治: "A Review of Theoretical and Numerical Studies of VLF Triggered Emissions," Journal of Atomospheric and Terrestrial physics. (1991)
• [Publications] 寺沢 敏夫: "Acceleration Mechanisms for Cometary Ions" Geophysical Monograph. (1991)
• [Publications] Tsurutani,Bruce: "Highly Nonlinear Magnetic Pulses at Comet GiacobiniーZinner" Geophysical Research Letters. 17. 757-760 (1990)
• [Publications] 山本 隆: "Apartide Simulation of Large Amplitude Undulations on the Evening Diffuse Auroral Bounary" Journal of Geophsical Research. (1990)
• [Publications] Scholer,M.: "Ion Reflection and Dissipation at QuasiーParallel Collisionless Shocks" Geophysical Research Letter. 17. 119-122 (1990)
• [Publications] Scholer,M.: "Reconnection and Fluctuations in Compressible MHD:A Comparison of Different Numerical Methods." Computer Physics Communication. 59. 175-184 (1990)