1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63302061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
戸原 義男 九州大学, 農学部, 教授 (80038182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四ヶ所 四男美 九州大学, 農学部, 助教授 (80038265)
長谷川 紘一 鳥取大学, 農学部, 助教授 (10039331)
加藤 治 佐賀大学, 農学部, 教授 (40038295)
木村 晴保 高知大学, 農学部, 教授 (00145111)
河原田 礼次郎 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041599)
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Keywords | 有明海 / 千潟の形成 / 浮遊砂量 / 河口塩分濃度 / 数値シミュレーション / 微細土砂の巻上げ沈降 |
Research Abstract |
分担課題別に研究成果をまとめる次のようである。 1.鹿児島湾の土砂堆積機構: 鹿児島湾に流入する河川の代表として甲突川を選び河川流量とSS濃度の関係式を求めた。一方、流出解析によって河川流量を推定し、年間のSS総量を算出した。現在、土砂拡散沈降の数値実験から土砂堆積機構を考察している。 2.有明海佐賀海岸のヘドロ堆積調査: 有明海に流入する主要河川の土砂量を過去十年間にわたって推定し、年平均流入土砂量を求めた。次に、有明海湾奥部の千潟の形成発達過程を探るため、3次元方向の流速、流向、濁度、SS、水温、塩分濃度などを測定した。その結果、濁度と流れとの関係は100ppm以下の、中低濃度域では流れの変動成分が、100ppm以上の高濃度域では流れの平均成分が大きく寄与することが分かった。 3.ボックスモデルによる浮遊砂のシミュレーション解析・ボックスモデルはこれまで塩分の拡散現象に適用され一応の成果を挙げてきた。このモデルをさらに物質の拡散一般に適用できるように改良するため、新しい指標の模索、ボックス間の物質移動の基礎式の検討を行っている。 4.拡散モデルによる河口塩分濃度と浮遊砂の沈降解析: 河口塩分濃度の推定のため、数値解析法のアルゴリズムの開発と、筑後川河口域の観測値のデータベース化を行った。塩分濃度と浮遊砂の沈降との関係は物理化学からのアプローチが必要で、来年度の課題と考えている。 5.河口浮遊砂の拡散・輸送・堆積過程: 河川から流入した土砂が湾内でどのような挙動を示すかを、有明海を対象に数値シミュレーションを行った。その結果は実際の千潟の堆積の様子を必ずしも再現するものではなかった。その原因は底質の巻上げと土砂の沈降に関する基礎式の不備にあると考え、回流水槽による室内実験で浮遊砂の巻上げ沈降機構を検討中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] KATO OSAMU.: PROCEEDINGS OF THE INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON SHALLOW SEA AND LOW LAND. 33-39 (1988)
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[Publications] 長裕幸: 農業土木学会論文集.
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[Publications] 四ヶ所四男美: 九州大学農学部学芸雑誌.
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[Publications] 森健: 農業土木学会論文集.
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[Publications] 平松和昭: 九州大学農学部学芸雑誌.