1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63303012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鬼頭 誠 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60027183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 成 京都大学, 食糧科学研究所, 助教授 (40111976)
田中 國介 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90027194)
長谷川 喜代三 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (00027179)
森 友彦 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (10027188)
中村 良 名古屋大学, 農学部, 教授 (70023398)
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Keywords | 植物タンパク質 / 食用タンパク質 / 物性 / 機能特性 / 生物的修飾 / 遺伝子発現調節 / タンパク質工学 |
Research Abstract |
日本人の三大死因は癌、脳卒中、心臓病である。これらはかなりの部分が食事性因子に由来している。近年における畜肉の摂取量の増加は、これに伴う飽和脂肪及びコレステロールの取り過ぎを招来し、動脈硬化症などの主因の一つとなっている。本研究は成人病予防効果のある植物性タンパク質を生物工学的手法を用いて改変し、畜肉に匹敵する物性、栄養性を持つ高品質タンパク質を創製することを目的としている。本年度は、植物タンパク質構造学、食品タンパク質物性学および植物分子生物学などの全く異なる観点から解析し、以下の結果を得た。 1.小麦の製パン性を決定する成分であるグルテニンの分子間S-S結合の位置を同定するのに成功した。小麦および米のアレルゲンタンパク質を単離精製し、そのタンパク質化学的性質を明らかにした。大豆タンパク質の主要成分であるグリシニンが自己アシル化能を有していること、そしてそれがグリシニンの構造的特徴に基づいていることを発見した。 2.小麦粉ドウ物性に対するタンパク質、脂質、水分の影響を明らかにした。大豆タンパク質がゼラチンと卵白タンパク質の中間の加工特性を具えていることを示した。ゴマグロブリンを各種化学修飾することにより機能特性を改善できることを見い出した。 3.大豆グリシニンcDNAの微生物細胞における大量発現系の確立に成功し、タンパク質工学の応用への道を拓いた。また、米タンパク質のシグナルペプチドを遺伝子操作の手法により変換し、プロティンボディー組成の改善の可能性を示唆した。さらに、サツマイモスポラミンおよびヒマ種子カタラーゼの遺伝子発現調節に関与している遺伝子領域の同定に成功した。 以上の結果の総合的理解に基づき、研究者間の情報交換を密に行うことにより目的を達成する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akihiko Nagao.: J.Am.Oil Chem.Soc.
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[Publications] Takashi Nishimura.: J.Agric.Food Chem.
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[Publications] Shigeru Utsumi.: FEBS Letters. 233. 273-276 (1988)
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[Publications] Shigeru Utsumi.: Gene. 71. 349-358 (1988)
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[Publications] T.Matsuda.: Agric.Biol.Chem.52. 1465-1470 (1988)
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[Publications] Tomohiko Mori.: J.TextureStudies.