1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63303013
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
入江 寛 長崎大学, 薬学部, 教授 (00025686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤多 哲朗 京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
上野 民夫 京都大学, 農学部, 助教授 (20026579)
芳本 忠 長崎大学, 薬学部, 助教授 (60088870)
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Keywords | 植物病原体 / 宿主特異的的毒素 / 自己発芽抑制因子 / キノコ類 / プロリン特異的酵素 / 植物の就眠運動 / エンバク冠さび病 |
Research Abstract |
本年度は研究費交付の中間の年度にあたる。研究分担者は各自それぞれ基礎研究を中心にして研究を推進している。そのため合成化学者は必ずしも植物病原菌関連化合物の合成を進めている訳ではない。しかし、(1)研究代表者、入江は病原菌アルタナリアキテクチア-ナにより生産され、二十世紀ナシに黒斑を引起こす宿主特異的毒素、Akitoxinのメチルエステルの全合成に成功し、この毒素の化学構造に含まれる二つの不斉炭素の立体化学が毒性発現に密接に関係している事を合成的に明らかにした。(2)上野は一種の植物病原菌、クロカビ病原胞子の持つ自己発芽抑制因子を単離し、その構造を推定した(未発表)。入江はその推定構造の化合物を合成したが、天然物と一致しない。現在その構造の再検討を行っている。(3)芳し本はキノコの生産するペプチダ-ゼ及びそのインヒビタ-の検索を行い、新しい酵素の単離に成功し、現在酵素のアミノ酸組成も明らかにしつつある。この他プロリン特異性ペプチダ-ゼとそのインヒビタ-に関する研究も行っている。(4)西沢は新しいグリコジル結合の形成法を開発し、これを応用して人工オリゴ糖の合成に向けて研究を進めている。この反応に依ってシクロデキストリンのエナンチオマ-の合成が可能になるであろう。不斉合成への寄与が期待される。 平成元年12月9日、千里中央において班会議を開催した。ここに於いて班員4名、富岡(東大)西沢(徳島文理大)、芳本(長崎大)、および上野(京大)により最近の研究が発表され、また特別講演者として浜中(小野薬品)によりプロスタグランジン関係化合物の最近の進歩が紹介された。班会議は5時間に及んだ。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Hiroshi Irie: "Lewis Acid Catalysed Preparation of some Carbamates and Sulphonylureas.Application to the Determination of Enatiomeric Purity of Chiral Alcohols" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I. 1989. 1209-1210 (1989)
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[Publications] Hiroshi Irie: "Synthesis of an Alkaloid,(^+_-)-3-Demethoxyerythratidinone" Heterocycles. 29. 1033-1035 (1989)
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[Publications] Hiroshi Irie: "Synthesis of the Methyl Ester of AK-Toxin II.A Host-Specific Toxin to Japanese White Pear,and its Congeners:Structure-Toxicity Relationship of the Toxin" Chem.Pharm.Bull.38. (1990)
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[Publications] Tadashi Yoshimoto: "Studies on Prolyl Endopeptidase from Shakashimeji(Lyophyllum cinerasens):Purification and Enzymic Properties" J.Biochem. 104. 622-627 (1988)
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[Publications] Tetsurou Fujita: "Structure elucidation of trichosporin-B-Ia,IIa,IIId and V from Trichoderma polysporum" J.Antibiotics. 41. 814-818 (1988)
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[Publications] Yoshikazu Shizuri: "Short Step-synthesis and Biological Activity of Hauptmann's Perplanone A and its Stereoisomer" Tetrahedrom Letters. 29. 1971-1974 (1988)
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[Publications] Tamio Ueno: "Studies in Natural Products Chemistry Vol.?Edited by Atta-ur-Rahman" Elsevier(Amsterdam-Oxford-New York-Tokyo), (1990)