1988 Fiscal Year Annual Research Report
環境生態系に関与する長半減期放射性核種のキャラクタリゼーションと生物学的影響
Project/Area Number |
63303015
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
池田 長生 筑波大学, 化学系, 教授 (00015463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 行雄 秋田大学, 医学部, 教授 (60018306)
本多 嘉秀 近畿大学, 理工学部, 教授 (50088340)
中西 隆 金沢大学, 理学部, 助教授 (00019499)
寺田 喜久雄 金沢大学, 理学部, 教授 (50019460)
関 李紀 筑波大学, 化学系, 講師 (70015775)
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Keywords | 環境放射能 / キャラクタリゼーション / 大気遊離塵 / 海水 / 海産生物 / 人体臓器 / 線量評価 / 長半減期放射性核種 |
Research Abstract |
第1部門 物理・化学的キャラクタリゼーションと挙動(1) 大気浮遊塵を粒径別に採取し、数種の放射性核種と安定元素の物理的キャラクタリゼーションをしらべた。ヒ素、アンチモン、亜鉛等は細粒部に多く、アルミニウム、希土類元素等は粗粒部に多い。'Beは前者、ウランは後者に属し、^<137>Csは全体的な分布を示した。また0.06〜1.1μmの粒度分布解析の可能な新型集塵器を開発した。(池田、関、阿部) (2) キチン-CS_2、キトサン-CS_2を吸着材に用いる^<99>Tcの新定量法を考案した。^<99>TcはpH<2.0で定量的に吸着し、3%過酸化水素水-濃アンモニア水で90%が溶離され、^<99>Tcの分離、精製が可能である。(寺田) (3) 限外ろ過法を用いて、海水中のプルトニウム、アメリシウムの物理的存在形態をしらべた。前者は80%以上がみかけ上溶存態で存在するのに対し、後者は大部分が沈降態であることが明らかになった。(中西) 第2部門 生体へのとり込みと影響 (4) 放射化分析による^<129>Iの定量法を検討し、ホウレン草、精米などへの移行をしらべた。移行係数は10^<-2>〜10^<-3>であった。また^<125>Iを用いるポット実験で求めた精米への移行係数は2×10^<-3>であった。(大和、圓尾、光桃) (5) ^<60>Co、^<106>Ru、^<144>Ceについて、クロレラへのとり込みをしらべた。平衡時におけるとり込み率は^<60>Co7%、^<106>Ru6%、^<144>Ce50%であり、濃縮係数は^<60>Co200、^<106>Ru300、^<144>Ce6,000であった。また二枚貝、海藻におけるテクネチウムの濃縮係数は、二枚貝で4〜7、ウミトラノオ35,000、褐藻100〜10,000、緑藻・紅藻で0.1〜1であった。(本田、木村、小柳) 第3部門 キャラクタリゼーソョンと線量寄与の評価 (6) 日本人の主要組織中の^<210>Po濃度(Bq/kg)は胸骨1,24、肝1.07、腎0.67、脾0.25、肺0.20で、これから計算した^<210>Poの年間吸収線量(Gy/r)は、胸骨33、肝29、腎18、脾6.8、肺5.5、膵3.8、筋肉1.2であった。(滝澤)
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Research Products
(15 results)
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[Publications] Nagao Ikeda.: Radioanal.Nucl.Chem.,Articles. 131. (1989)
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[Publications] Chang Kyu Kim.: Radioisotopes. in press.
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[Publications] Chang Kyu Kim.: Radioisotopes. in press.
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[Publications] Chang Kyu Kim.: Radioisotopes. 37. 229-230 (1988)
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[Publications] Nagao Ikeda.: Radioisotopes. 37. 414-415 (1988)
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[Publications] Yasuhito Igarashi.: J.Radioanal.Nucl.Chem.,Letters. 135. 157-164 (1988)
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[Publications] H.Honjo.: Fresenius'Z.Anal.Chem.330. 159-160 (1988)
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[Publications] K.Terada.: Anal.Sci.4. 121-122 (1988)
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[Publications] T.Honjo.: Fresenius'Z.Anal.Chem.331. 647 (1988)
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[Publications] 寺田喜久雄: ぶんせき. 88. 37-43 (1988)
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[Publications] 仲西孝: エネルギー資源. 9. 29-36 (1988)
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[Publications] Shigeru Ohno.: ANALYST. 113. 515-517 (1988)
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[Publications] 木村雄一郎: 保健物理. 23. 105-119 (1988)
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[Publications] Y.Takizawa.: Acta Medica et Biologica. 35. 109-118 (1988)
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[Publications] S.Hisamatsu.: J.Radiat.Res.29. 110-118 (1988)