1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304003
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
増田 芳雄 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60046836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 直樹 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90136010)
倉石 晉 広島大学, 総合科学部, 教授 (30012363)
西谷 和彦 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (60164555)
保尊 隆享 大阪市立大学, 理学部, 助手 (70135771)
神阪 盛一郎 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (60047214)
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Keywords | 植物の生長 / 分化 / ホルモン / 細胞壁 / 機能性多糖 / キシログルカン / セルロース / フェノール / ペルオキシダーゼ / エクステンシン / ジフェルラ酸 / 二次細胞壁 / キシラン合成酵素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、植物の生長・分化がホルモンや環境要因によって誘導される時、あるいは生長・分化のパターンが修飾される時、細胞壁構成分子にいかなる物理・化学的変化が起こり、それらが生長・分化の調節にいかなる役割を果たしているかを明らかにすることにある。第1年度はホルモンや環境要因によって調節される細胞の生長と分化にどのような細胞壁成分が機能的役割を果たしているかを調べ、以下の結果を得た。 (1)機能性多糖の免疫学的検索(増田、保尊、山本)-キシログルカンフラグメントに対する抗体はオーキシンによる細胞壁のゆるみを阻害することによってアズキ茎切片の生長を阻害することを明らかにした。 (2)機能性細胞壁多糖の遺伝学的解析(勝見、倉石、桜井)-折れやすいオオムギの突然変異はセルロースの合成阻害と関係していること、また細胞壁のフェノール化合物代謝を調節するペルオキシダーゼの活性が正常種にくらべると矮牲植物では低いこと、を明らかにした。 (3)生長調節における機能性細胞壁成分の検索(今関、柴岡、神阪)-エチレンによって誘導される細胞壁結合糖タンパク質を分離した。単量体エクステンシンが微小管を安定させること、ジフェルラ酸が細胞壁の伸展性を低下させることを明らかにした。 (4)細胞壁の三次元構造の解析(宝月、加藤)-細胞壁中ではラムノガラクチョロナンはガラクタンのみならずアラビノキシランとも結合していることが分かった。また、フリーズエッチングによって細胞壁の三次元構造を明らかにした。 (5)機能性多糖の動態の解析(駒嶺、西谷、山口)-二次細胞壁肥厚にキシラン合成酵素が関与していること、また細胞壁中の多糖分解酵素を単離し、その性質を明らかにした。また、LC/MS法による細胞壁構成分析法を開発した。
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[Publications] Yamamoto,R.: Plant Physiology. 86. 1223-71277 (1988)
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[Publications] Kamisaka,S.: Plant Cell Physiology. 29. 467-474 (1988)
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[Publications] Katsuta,J.: Plant Cell Physiology. 29. 403-414 (1988)
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[Publications] Ingold,E.: Plant Cell Physiology. 29. 295-304 (1988)
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[Publications] Sakurai,N.: Plant Cell Physiology. 29. 1337-1343 (1988)
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[Publications] Wakabayashi,K.: Plant Cell Physiology. 30. 99-105 (1988)