1988 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウムイオンの細胞内動態に関する発生・生理学的研究
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63304006
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
平本 幸男 放送大学, 教養学部, 教授 (50011440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 英世 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50064845)
浜口 幸久 東京工業大学, 理学部, 助教授 (70016161)
久保田 洋 京都大学, 理学部, 助手 (40115837)
岩松 鷹司 愛知教育大学, 教養学部, 教授 (90023994)
黒田 清子 大阪大学, 理学部, 助教授 (30028138)
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Keywords | カルシウム / エクオリン / 受精 / アメーバ運動 / 原形質流動 / Fura2 |
Research Abstract |
1.受精におけるカルシウムイオンの役割に関して研究を行った。ゴールデンハムスター卵及びメダカ卵の受精又は様々な物質の注入による付活の際の卵内カルシウムイオンの変動の時間的場所的変動をエクオリンの発光を使って測定した。その結果、受精においては卵内で、Gタンパクの活性化→イノシトール3リン酸の産生→細胞小器官からのカルシウムイオンの細胞質内への放出という過程をとることが明らかになった。細胞内に放出されたカルシウムイオンは隣接した卵表層部においてイノシトール3リン酸の産生を促し、これが更に隣接部におけるカルシウムイオンの酸生を促すことにより、カルシウム波として卵全体に伝導するものと考えられる。卵表層を波状に通わる表層粒や表層胞の崩壊はカルシウムイオンの増加によって起こるものと推定される。イモリ卵には無尾類の卵と異なり表層粒が無いが、受精に際して一過性のカルシウムイオンの増加が認められた。ウニ卵ではカルシウムイオン緩衝液の注入による表層粒の崩壊の高速度ビデオによる解析や、イノシトール3リン酸によってカルシウムイオンを細胞内に放出する膜小胞の単離を行った。 2.アメーバ運動の際の細胞内カルシウムイオンの変動をエリオリンの発光によって調べた結果、後端部付近で間欠的に細胞内カルシウムの増加が起こることが分かった。ゾウリムシでも運動中に間欠的に細胞内カルシウムイオンの増加が観察された。車軸藻類の興奮の際の液胞膜の電位変化は興奮による細胞質内カルシウムイオンの増加によって引き起こされるこどか分かった。 3.蛍光色素Fura2を使った細胞内カルシウムイオン濃度の分布の測定において、複数の測定値を平均化することによって精度を上げ、分解能10〜20μMの装置を制作して神経細胞の興奮における細胞内カルシウムイオンの変動を測定した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shunichi Miyyazaki.: Journal of Cell Biology. 106. 345-353 (1988)
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[Publications] Takashi Iwamatsu.: Developmental Biology. 125. 451-457 (1988)
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[Publications] Yasuaki Yoshimoto.: Proceeding of the Japan Academy. 64. 109-112 (1988)
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[Publications] Kiyoko Kuroda.: Protplasma. 144. 64-67 (1988)
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[Publications] Takashi Iwamatsu.: Developmental Biology. 129. 191-197 (1988)
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[Publications] Ritsu Kuroda.: Protoplasma. suppl.1. 72-80 (1988)
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[Publications] Shunichi Miyazaki: "Mechanisms of Egg Activation" Plenum Press, (1989)