1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304014
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
岩下 嘉光 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20007884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中垣 雅雄 信州大学, 繊維学部, 助手 (70135169)
菅家 英治 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20007967)
福原 敏彦 東京農工大学, 農学部, 教授 (70011880)
渡部 仁 東京大学, 農学部, 教授 (10011868)
川瀬 茂実 名古屋大学, 農学部, 教授 (90023382)
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Keywords | 昆虫ウイルス / DNV / 昆虫病理学 / 昆虫病理組織学 / 昆虫の疫学 / ウイルス核酸の塩基配列 / ウイルス核酸のクローニング |
Research Abstract |
I.DNVの感染 DNVの本来の宿主はクワノメイガであり、この虫の経卵表面伝達の形で垂直伝播を繰返し、蚕における本病の感染はクワノメイガのアクシデンタルな水平伝播によって生ずる(渡部)。 II.DNVの増殖 中腸細胞核内での増殖を超微形態学的に究明する目的で、金コロイド標識法を検討し、血清濃度、固定条件などの諸条件が分かり、本法による増殖過程の追跡を行った(岩下)。雌雄モザイック蚕を用いてDNV-1の感染細胞と非感染細胞とがモザイック状に存在し、本ウイルスの感染抵抗性を検討する糸口の一端が得られた(渡部)。DNVとCPV又はNPVとの混合感染について病理組織学的に検討し混合感染した両ウイルスは、共に増殖が抑制された。特にNPVはウイルス粒子の形成、膜の産生及び多角体形成などに顕著な異常が認められた(岩下)。培養細胞におけるDNVの増殖をVero細胞、LD-S細胞及びLD-Y細胞などに接種したが、増殖が確認できなかった(福原)。 III.DNVの蛋白質・核酸 中国株DNVにスペルミジン、スペルミンプレシンの存在を確認した(菅家)。DNV-1の5'末端の未決定領域408塩基対を決定した。ORF-1は5'末端より286番目の塩基から始まる。ORF-1は分子量51Kの蛋白質をコード可能であった。また5'末端には約70塩基の自己相補的な配列が存在し、この領域がヘアピン構造をとることを示唆した。3'末端は300塩基であり、その5'側と同様な自己相補的な配列が存在した(川瀬)。DNV(山梨株)の核酸のDNAIとIIを分離し、制限酵素で切断、塩基配列決定用クローンを作成した。この地図をもとにして、得られたクローンがウイルスDNAをインサートしていることを確認した。まだデレーションミュタントを数種作成できた。山梨株と中国株のプラスミド・クローンを作成し、制限酵素の切断像より、2株ウイルスの核酸の相違が確認された(中垣)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 伴戸久徳、伊藤康彦、中垣雅雄、崔洪圭、川瀬茂実: 日本蚕糸学会東海支部講演要旨集. 36. 22 (1988)
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[Publications] 伴戸久徳、伊藤康彦、崔洪圭、川瀬茂実: 日本蚕糸学会東海支部講演要旨集. 36. 23 (1988)
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[Publications] H.WATANABE.;Y.KURIHARA.;YU-XING WANG.: Journal of Invertebrate Pathology. 52. 401-408 (1988)