1988 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞の成立と、その帰趨: 始原生殖細胞と造血幹細胞
Project/Area Number |
63304028
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤本 十四秋 熊本大学, 医学部, 教授 (00040139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
西川 伸一 熊本大学, 医学部, 教授 (60127115)
森 和博 新潟大学, 理学部, 教授 (90025635)
福本 哲夫 山口大学, 医学部, 教授 (00040171)
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
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Keywords | 卵黄襄 / 始原生殖細胞 / 造血幹細胞 / 単クローン抗体 / 胚細胞腫瘍 / 肝臓造血巣 / 骨髄造血巣 / マクロファージ |
Research Abstract |
動物の固体発生の早期に、卵黄襄にはじめて検出される始原生殖細胞(PGC)、同じく卵黄襄に発する造血幹細胞(BSC)は、いずれも元の場所を離れて標的組織に移住していって分化・機能する。両種細胞系は共に多分化能を持つなど共通点も多く、本研究の目標は、両種細胞を、細胞系譜の成立と、その正常と異常分化という同じ土俵に上げて、共通点、相違点を明らかにしていくことにある。 昭和63年度における研究成果を以下に挙げる。 A.生殖細胞系:(1)ショウジョウバエ(岡田)とカエル(池西)では、単クローン抗体を用いてPGC決定因子の特定と、体細胞系からの分離の過程を追究した。(2)ニワトリの単離PGCを胚(in situ)に戻して、その分化様態を追跡するための方法を開発しつつあり(藤本、桑石)、(3)生殖細胞腫瘍化の探索:ヒト胚細胞腫瘍の分析から、場の要素と共に腫瘍化の時期がその性格を規定していることを示した(本山)。B.造血細胞系:卵黄襄造血巣では顆粒球系、単核球系、その幹細胞と分化を形態学的に検討し(佐々木)、肝臓造血巣の移動をUB-12抗体で解析し、Hepatocyteが肝臓造血の前半に促進的に、後半では制御的に働くという二面性を示唆した(福本)。骨髄造血巣では、ほぼ確実に造血支持細胞株を樹立した(森)、また、1個の幹細胞に由来するリンパ球およびマクロファージの分化を初めてin vitro証明した(須田)。B細胞(西川)については分化調節の構造をin vitroで探求し、T細胞(栃内)については、それが胸腺への定着・分化の機構を追究した。更に、卵黄襄造血では単球系細胞の発現に先立って胎性マクロファージが発生し、単球系細胞の分化過程を辿らずに、分化・成熟することが明らかにされた(高橋)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Fujimoto.: In:Developments in Ultrastructure of Reproduction(Motta P.M.,ed),Alan R.Liss,Inc.
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[Publications] S.Kobayashi.: Cell Differ.& Develop.suppl.25. 25-30 (1988)
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[Publications] K.Awaya.: Dev.Comp.Immunol.12. 409-434 (1988)
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[Publications] K.Itoh.: Exp.Hematol.
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[Publications] M.Ogawa.: EMBO J.7. 1337-1342 (1988)
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[Publications] K.Takahashi.: J.Leukocyte Biol.45. 87-96 (1989)