1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63304049
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Research Institution | EHIME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田村 修 愛媛大学, 医学部, 教授 (10035404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向野 和雄 北里大学, 医学部, 助教授 (60050473)
筒井 純 川崎医科大学, 教授 (60068947)
高橋 洋司 岩手医科大学, 講師 (30112593)
下奥 仁 兵庫医科大学, 教授 (00068420)
伊藤 文雄 名古屋大学, 医学部, 教授 (30064794)
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Keywords | 眼筋自己受容器 / 筋紡錘 / 三叉神経 |
Research Abstract |
眼筋自己受容器の基礎的および臨床的性状を調べるのが、本研究の目的である。向野は、内直筋支配および毛様体支配の三叉神経の三叉神経筋における分布と細胞の大きさを示した。分布には差は見られなかったが、毛様体支配群では小さい細胞が、内直筋支配群では大きい細胞が多く見られた。下奥は、三叉神経節と外転神経核との間の伝達時間を測定し、この間には複数のシナップスが存在することを証明した。伊藤は、セカンド・メッセンジャ-とプトテイン・カイネ-スCが機械受容変換機構に関連があることを発見した。伊藤と向野は、下斜筋過動症の下斜筋等病的な筋の筋紡錘の構造を詳しく観察し、これらの一次的および永久的な変性等があることを見い出した。高橋は、脱髄疾患等の患者で視力、複像検査、視野、立体視、角膜、知覚、眼位、EOG、OKN、牽引試験、Magician's forceps試験などの検査を行い、脱髄疾患が輻湊過度をおこすこと、三叉神経第一枝が正常眼球運動に関与していることを明らかにした。筒井は、ポツリヌス毒素による斜視の治療を行い、外斜視の輻湊不全と開散過多とでは効果が異なり、これは筋緊張の有無によるものと考えた。また、さしこし現象が治療後では変化するが、眼位の変化のわりには小さく、γ線維は毒素の影響が少ないと考えた。田村は、三叉神経節ブロックの前後で眼球運動を記録し、ブロックした側の眼球運動に遅れが出ることを発見した。 眼筋自己受容器の本態は、ほとんど知られていないが、本研究によってその一部が解明されて来た。
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