1988 Fiscal Year Annual Research Report
瀬戸内海沿岸の古琵琶湖層コア解析による日中両地域間の陸橋の存否-琵琶湖への大陸からの特異種の由来の解明-
Project/Area Number |
63304062
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀江 正治 京都大学, 理学部付属地球物理学研究施設, 教授 (90025320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤 則雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (40019394)
富田 克利 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20041220)
小椋 和子 東京都立大学, 理学部, 助手 (20087117)
小山 睦夫 京大, 原子炉実験所, 教授 (80025329)
横山 卓雄 同志社大学, 工学部, 教授 (10066243)
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Keywords | 瀬戸内海 / 古琵琶湖層 / 日・中間陸橋 |
Research Abstract |
日中両国間の陸橋の存否の問題解明への研究法として、我々は二つの手法を選んだ。その一は陸上に保存されている堆積物の層序学的研究であって、琵琶湖コアサンプルについて我々が挙げた成果を基礎にした手法であり、地磁気、粒度、物性、地球化学、生物微化石等の学際的な分析により、瀬戸内海〜西部九州に至る間の第四紀地史を編み上げることである。他の一は、現存あるいは化石として認められる生物の分布及び由来のルートを探ることである。これは生物地理学的研究の面が極めて濃い。 研究地域として我々は、瀬戸内海に直結しないとはいえ、瀬戸内の古環境、寒暖、乾湿の気候の変化、海水面の変動を直接、間接に反映すると思われる湖沼堆積物を求めていたが、幸い、山口県徳佐盆地に於て入手し得たので、63年度後半より解析作業を進めている。これが第一の層序学的研究である。 第二の問題については、中国東方地域や台湾に足をのばすことは出来ないが、文献収集により中国の淡水生物の分類学的、生態学的知識を整理すると共に、琵琶湖と長崎県海岸域の生物地理学的問題にとり組んでいる。特に沖縄が曽て大陸と陸続きであったことは 第四紀旧象化石の存在によって立証されており、淡水生物分布を拡げる淡水路の存在なしには、琵琶湖の生物分布を規定した大陸起源生物の日本列島への伝播が不可能であることを考えると、琵琶湖〜瀬戸内海〜長崎海岸域の研究は重要であり、63年度に把握した上記の生物地理学的問題を、さらに平成2年度に向けて追究してゆく態勢を整え得た。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Shoji HORIE,: Verh.Internat.Vereigung Limnol.(1990)
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[Publications] Norio FUJI,: Quaternary Research. (1991)
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[Publications] Takuo YOKOYAMA,;Keiji TAKEMURA,: Quaternary Research. (1991)
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[Publications] Atsunao MARUI,: Quaternary Review of Science. (1991)
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[Publications] Mutsuo KOYAMA,;Munetsugu KAWASHIMA,: American Scientist. (1991)
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[Publications] Kazuko OGURA,;Ryoshi ISHIWATARI,: Geochim.Cosmochim.Acta. (1991)
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[Publications] Norio MIYOSHI,: "In Geschichte des BIWA Sees in JAPAN" Universitatsverlag Wagner, 1-300 (1991)
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[Publications] Sachiko TAKAHASHI,: "In Geschichte des BIWA Sees in JAPAN" Universitatsverlag Wagner, 1-300 (1991)