1988 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート造骨組の内柱・梁接合部のせん断設計法
Project/Area Number |
63420043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小谷 俊介 東京大学, 工学部, 助教授 (30133101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 和宏 宇都宮大学, 工学部, 助手 (90199456)
田才 晃 東京大学, 工学部, 助手 (40155057)
細川 洋治 東京大学, 工学部, 助手 (60011235)
青山 博之 東京大学, 工学部, 教授 (80010669)
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Keywords | 鉄筋コンクリート造 / 平面接合部試験体 / 内柱・梁接合部 / 剛性劣化 / せん断抵抗機構 / 定着付着性能 / 横補強筋の効果 / せん断設計法 |
Research Abstract |
鉄筋コンクリート造骨組の内柱・梁接合部のせん断抵抗機構、特にせん断補強筋のせん断抵抗に寄与する機構を明らかにする目的で、縮尺約1/2の十字形柱・梁平面接合部試験体4体と直交梁がついた立体接合部1体を製作し、地震力を模擬した繰返し加力によって実験を行なった。内柱・梁接合部のせん断抵抗機構は、梁主筋の接合部内の付着定着と接合部内横補強筋によるトラス機構があるが、梁主筋の付着劣化に伴いコンクリートの圧縮束によるアーチ機構が主となり、接合部横補強筋は圧縮束コンクリートを拘束するが、せん断抵抗には寄与しないと予測できる。そこで、試験体のパラメータは、接合部柱主筋の外周に四角形の帯筋で接合部コア・コンクリートを拘束できる配筋詳細(試験体B1、B3)と、接合部せん断力方向と直交方向に別々にして接合部を拘束しない配筋詳細(試験体B2、B4)とし、梁主筋の定着付着性能を変えて計4体の平面接合部試験体を実験した。また、直超梁による接合部の拘束効果による耐力上昇を調べるため、本年度の計画を変更して立体接合部試験体を実験した。 鉄筋コンクリート造骨組に許容できる最大変形とする層間変形角1/50の範囲で接合部のせん断破壊は生じなかった。全試験体とも接合部のせん断応力レベルが高いため、接合部の変形が試験体全体の変形の大きな割合を占めたが、接合部コンクリートを拘束する効果が少ない試験体B1とB3でも接合部のせん断ひび割れの進展を抑制する効果は認められるが、接合部の剛性劣化が顕著であった。直交梁によるせん断耐力の上昇が実験的に確認された。 本年度の実験結果を総合すると、接合部の横補強筋の効果はせん断に抵抗するというよりも、接合部のひび割れ発生後に接合部を拘束し、接合部の剛性劣化を抑制する効果の方が大きいと判断した。
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Research Products
(1 results)