1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63420051
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤崎 博也 東京大学, 工学部, 教授 (80010776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032)
森川 博由 東京大学, 工学部, 助手 (40011217)
広瀬 啓吉 東京大学, 工学部, 助教授 (50111472)
亀田 弘之 東京工科大学, 工学部, 講師 (00194994)
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Keywords | 知識表現 / 言語表現生成 / システム化 / 知識ベ-ス / 質問応答システム / 対話管理プロセス / 深層意味表現 / 表層文生成 |
Research Abstract |
本研究は、計算機で取り扱うことのできる知識表現を入力として、これを共通語で正しく発声された連続音声に変換し、出力するシステムを構築することを目的とするもので、(1)概念表現生成、(2)言語表現生成、(3)音声(単音・韻律)記号生成、(4)音声波形生成、(5)システム化、の5つの課題の解決をめざしている。本年度は前年度の成果をふまえ、(1)、(2)、(5)に重点を置いて研究を進め、以下の実績をあげた。 1.システム化の対象として、ワ-クステ-ションに蓄積、管理されているデ-タベ-スなどの知識ベ-スから、ユ-ザが情報を引き出す質問応答システムを想定し、そのシステム構成を検討するとともに、ソフトウェアとしてワ-クステ-ション上に実現した。 2.ユ-ザの必要とする情報(知識表現)を的確に知識ベ-スから抽出するために、システム内に対話管理プロセスを設けることによって、ユ-ザとの間のインタ-フェイスの円滑化をはかった。また同時に、意味的に決まる省略・照応表現の生成や文中の焦点の制御にもこれを利用することにより、より適切な表層文の作成を出来ることを示した。 3.前項で抽出された知識表現に基づいて、深層のレベルでの意味表現を作成する。この深層の意味表現は、格構造を基本として、これに各述語間の意味的な関係、時制・態・法情報、省略・照応表現に関する情報、焦点に関する情報を加えたものとした。 4.前項で得られた深層の意味表現から、表層の文を生成するアルゴリズムを作成し、それをCommon Lispを用いてワ-クステ-ション上に実現した。また、この処理の途中で生成される文の統語構造を(3)として既に検討・作成した音韻規則への入力として利用すれば、合成器を駆動するための単音・韻律記号の作成が効率よく行えることを示した。 以上、本研究は、ほぼ当初の予定通りに達成された。
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[Publications] Hiroya Fujisaki: "A System for Synthesizing Japanese Speech from Orthographic Text" Proceedings of 1990 IEEE International Conference on Acoustics,Speech and Signal Processing (Albuqurque). S6a.5. 617-620 (1990)
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[Publications] 藤崎 博也: "高品質音声合成のためのタ-ミナルアナログ型音声合成器" 電子情報通信学会音声研究会. SP90ー1. 1-8 (1990)
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[Publications] 広瀬 啓吉: "テキストからの日本語音声合成システム" 電子情報通信学会音声研究会. SP90ー42. 23-30 (1990)
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[Publications] 藤崎 博也: "知識表現からの文章音声合成システム" 日本音響学会秋季研究発表会講演論文集. I. 231-232 (1990)
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[Publications] Hiroya Fujisaki: "Proposal and Evaluation of New Type of Terminal Analog Speech Synthesizer" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing(Kobe). Vol.1. 329-332 (1990)
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[Publications] 浅野 康治: "知識表現からの音声合成システムにおける対話管理部の役割と表層文の生成" 日本音響学会春季研究発表会講演論文集. (1991)