1988 Fiscal Year Annual Research Report
チャートと泥質岩の成因ならびに堆積環境に関する研究
Project/Area Number |
63430011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉崎 隆一 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10022576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90111624)
諏訪 兼位 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022564)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 助教授 (10113094)
中井 信之 名古屋大学, 理学部, 教授 (40022529)
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Keywords | チャート / 泥質岩 / 堆積環境 / ハロゲン元素 / マンガンマイクロノジュール / マンガンバンド / 熱水性堆積物 |
Research Abstract |
1 マンガンバンドの確認と意義:本邦における中古生界には厚い珪質、泥質の堆積物が発達しており、その生成環境は未だ明確ではない。本プロジェクトにおいては遠洋性の深海堆積物と半遠洋〜近海における堆積物中のマンガンの垂直分布を比較検討した。その結果、両者に明確な相違があることが分った。そこで陸上の珪質、泥質堆積岩中のマンガンの垂直分布を数ケ所に亘って精査した。そこでは何れも半遠洋〜近海堆積物のパターン、つまり、全体としてはマンガン含有量が低いが所々でスパイク状にマンガン濃縮層が存在するという分布が発見され、マンガンバンドと名付けた。この存在は一般に泥質、珪質の堆積物の生成環境を推定するのに極めて、有用な指標となり得ることが結論された。 2 熱水性マンガンマイクロノジュールの研究:海洋堆積物中には熱水の影響下で生成したと考えられる重金属に富む物質が存在することがある。本プロジェクトでは以前からの実績に基づいてその中に含まれるマンガンマイクロノジュールの化学的性質からその物質の起源を推定する研究を行ってきたが、東南太平洋において従来熱水活動の見られなかった場所から熱水性を示すマイクロノジュールの産出を確認した。このことは本方法の有効性を示すものであり、また陸上堆積物への応用も可能であることから、美濃帯の堆積物の研究も行った。 3 堆積物中のヘロゲン元素の分析法の検討:本プロジェクトにより購入したイオンクロマトグラフを利用して、泥質・珪質の堆積岩中のフッ素、塩素、臭素などハロゲン元素の分析法の検討を行った。試料を炭酸ソーダ溶融して水に抽出される方法と試料を酸化剤と共に1000℃に熱し、水蒸気蒸溜を行う方法とで、後者の方がすぐれていることが分った。
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