1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63430016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大内 公耳 北海道大学, 工学部, 教授 (10091422)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博徳 北海道大学, 工学部, 助教授 (70001287)
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Keywords | 石炭の構造 / 石炭化反応 / 液化油 / 温和な水添 / 水添生成油の分析 / 液化油の分析 / 飽和分の分析 / 芳香族分の分析 |
Research Abstract |
ワンドアン炭(77%C)をベンゼン-アルコール及びn-ヘキサン抽出し(I)、抽出残をアドキンス触媒を用いて温和な水素化を3回繰返し、各段階におけるn-ヘキサン抽出物を夫々(H1)、(H2)、(H3)とする。(I)及び(H1)-(H3)をシリカ-アルミナ液体クロマトグラフィーを用いて飽和分、芳香族分及び極性分に分け、更に極性分を200℃までの高真空蒸留により蒸留分と未蒸留に分け、未蒸留分以外の部分をGC、GC-Msで分析した。飽和分の大部分はn-パラフィンであり、その他アルキルシクロヘキサンが含まれる。極性蒸留分中には直鎖脂肪酸のメチル及びエチルエステルが含まれており、これを同条件下で水素化すると、エステル分布と同じn-パラフィン分布が得られ、未反応の残極性分中のエステル含量は減少するので、水添油中に常に多く含まれるn-パラフィンは直鎖脂肪酸エステルが還元されて生成することが明らかにされた。又極性分末蒸留の高分子留分も水添反応により同様にn-パラフィンを生成することから、直鎖エステル構造は石炭構造の重要な部分を構成していることもわかった。極性蒸留分の分析から、それを構成している化合物はアルキル基を有する1〜4環のヒドロキシ芳香族化合物であり、これを水素化すると脱ヒドロキシル化して先に得た芳香族留分中の化合物ど同様の化合物群を与えるので、液化油として得られる芳香族化合物は石炭中のヒドロキシ-アルキル芳香族体が脱ヒドロキシル化することにより生成するものであり、石炭はこうしたヒドロキシ-アルキル芳香族化合物が互に結合した高分子体であろうと推定した。水素化を繰返し(H1)→(H3)へと行くに従い、多環の芳香環の量が増え、この石炭は不均一な構造をしていることが明らかにされた。更に環数の小さい芳香族環程長いアルキル側鎖を有し、環数が増えると急速に短かくなることもわかった。此等の事実は石炭化反応に対し重要な示唆を与える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.Z.Dong;H.Itoh;K.Ouchi: Fuel. 67. 541-551 (1988)
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[Publications] J.Z.Dong;K.Ouchi: Fuel. 67. 284-293 (1988)
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[Publications] K.Ouchi;M.Makabe: Fuel. 67. 1536-1544 (1988)
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[Publications] R.L.Ren;H.Itoh;K.Ouchi: Fuel. 68. 58-68 (1989)
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[Publications] R.L.Ren;H.Itoh;K.Ouchi: Fuel Processing Technology. 20. 239-249 (1988)
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[Publications] J.Z.Dong;K.Ouchi: Fuel.