1989 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロ-ナル抗体を用いた膵癌早期診断と治療成績向上のための臨床的、実験的研究
Project/Area Number |
63440048
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 洋一 神戸大学, 医学部, 教授 (90004803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 常之 神戸大学, 医学部, 助手
加藤 道男 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30140445)
黒田 嘉和 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70178143)
大柳 治正 神戸大学, 医学部, 助教授 (00030958)
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Keywords | 膵癌 / タ-ゲッティング療法 / KM_<10> / ヒト、ハイブリド-マ / ヒト、モノクロ-ナル抗体 / アドリアマイシン酸化デキストラン複合体 / ヒト・キメラ抗体 |
Research Abstract |
今年度は主として膵癌治療のためのタ-ゲッティング療法を研究した。 1)KM10ーAdriamycin(ADM)conjugeteの研究では、KM10が抗CEA類似マウスモノクロ-ナル抗体(MoAb)であり、他の抗CEAマウスMoAbもKM10に代わるキメラ抗体の材料になるうることを明らかにした。さらにConjugateの開発と作用機序解明の過程で、抗癌剤と高分子の複合体が癌組織へのある程度の選択性を持ちうることを明らかにし、デキストランとADMの複合体(ADMーDXD)を作製し、それが膵癌へのdrug delivery systemに応用出来る可能性を証明した。 2)ヒトMoAb作製のための免疫組織化学的スクリ-ニング法として、予めベルオキシダ-ゼ標識ヒトIgMFab′画分を作り、これとヒトMoAbを反応させ、ヒト血清IgMを加えて未反応の標識抗体を阻止して、これを直接法における標識抗体とする直接法変法を確立した。 3)ヒトMoAbの研究としては、教室の胃癌胃全摘時合併切除された脾臓をリンパ球源として、新たにHAT感受性Ouabine耐性を導入したhuman B lympho blastoid cell line GCOIとをポリエチレングリコ-ル下に常法通り細胞融合し、ヒトハイプリド-マを作製した。抗体産生能を有する多くのハイプリド-マの中から、前述の免疫組織化学的スクリ-ニング法等を用いて、ヒトMoAbNo235を見出した。これは膵癌とも50%に反応し、正常組織にはほとんど反応しないので、タ-ゲッティング療法への足掛りは出来た。 4)KM_<10>などの抗CEAマウスMoAbのヒト1gGとのキメラ化については、マウスMoAbの可変部とヒトIgGの定常部を持つキメラ抗体を作製し、抗体特異性や抗体産生能、マウス抗体の有無などを調べ、キメラ化A_<10>Fabの将来性が高いことなどを見出した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 斎藤洋一他: "膵癌の集学的治療" 外科治療. 60. 88-99 (1989)
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[Publications] 大柳治正他: "膵臓癌(4)慢性膵炎との鑑別診断" 臨床科学. 25. 560-568 (1989)
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[Publications] 曽山信彦他: "モノクロ-ナル抗体KM_<10>と抗CEA抗体の比較検討" 日外会誌. 90. 1834-1839 (1989)
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[Publications] Nobuhiko Soyama et al: "New Immunohistochemical Assay to Detect Human Monoclonal Antibody Reartive Gastrointostinal Carcionoma" Gastroenterop Jpr. 24. 581-581 (1989)
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[Publications] 曽山信彦他: "消化器癌と反応する新しいヒト・モノクロ-ナル抗体の作製" 日消誌投稿中.
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[Publications] 大柳治正他: "キメラ抗体の作製と消化器癌治療への応用の可能性" 日消誌予定.
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[Publications] 斎藤洋一他: "膵癌の診断と治療の進歩 分担執筆:消化器癌に高率に反応するモノクロ-ナル抗体KM_<10>とそのTargeting療法への応用" 医学図書出版, 128 (1984)
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[Publications] 斎藤洋一: "消化器疾患最新の治療 分担執筆:膵臓癌" 南江堂, 492 (1989)