1988 Fiscal Year Annual Research Report
偽痛風の石灰塩のX線回折電子顕微鏡.偏光顕微鏡による研究
Project/Area Number |
63440056
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
星野 孝 獨協医科大学, 医学部, 教授 (60049111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅 正剛 獨協医科大学, 医学部, 助手 (40187620)
浜田 純一郎 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80180941)
坂田 宏 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70205748)
早乙女 紘一 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (20045678)
梅原 忠雄 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00049115)
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Keywords | 偽痛風 / ピロ燐酸カルシウム結晶 / ハイドロオキシアパタイト |
Research Abstract |
偽痛風のカルシウム塩はピロ燐酸カルシウム(単斜晶系、三斜晶系)を主成分とし、ハイドロオキシアパタイトを副成分としてゆくことが多い。今回の研究では、臨床上みられる偽痛風患者より得られた石灰沈着物、及び実験にて作成した石灰沈着物について光顕、偏光顕微鏡、走査、透過型電顕、X線回折、赤外線分折、ラマン分折を使用して分析した。臨床的に偽痛風と診断できた35例中10例について石灰沈着物を採集し、上記方法にて分析した結果、ピロ燐酸カルシウムは偏光顕微鏡にて弱い正の複屈折性を有し、走査電顕にて棒状結晶としてみられたが、単斜晶系、三斜晶系の区別はつかなかった。X線回打にて沈着物は、単斜晶系ピロ燐酸カルシウム結晶を主成分とし三斜晶系、ハイドロオキシアパタイト結晶を副成分としている症例が6例みられた。ラマン分析にて、副成分の結晶は、沈着物質中に島状に分布しており、主成分と副成分が全体的に混合し存在している状態ではなかった。実験的研究においては、牛の関節軟骨を使い、塩化カルシウム、ピロ燐酸ナトリウム塩を利用し、石灰沈着物の形成をみた。その石灰沈着物を上記方法にて分析した。偏光顕微鏡にては、負の複屈打性を有し、走査電顕にて不規則な針状結晶として観察された。X線回打、赤外線分析、ラマン分析にて、この結晶は単斜晶系αC_aNa_2P_2O_7・4H┣D22Oであった。以上の結果より、臨床上みられるピロ燐酸カルシウム結晶は三斜晶系結晶が多いと報告されているが、今回の研究にて単斜晶系結晶が優位であることが利明した。ピロ燐酸カルシウム結晶とハイドロオキシアパタイト結晶が混在した石灰沈着物である確率が偽痛風では高いこと、その際ハイドロオキシアパタイト結晶は島状に存在していた。実験上みられた結晶は、ピロ燐酸カルシウム結晶の前駆物質であることが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 星野孝: リウマチ リウマチ学会雑誌.
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[Publications] 浜田純一郎: 日本手の外科会誌.
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[Publications] 星野孝: intertional orthopaechics.