1990 Fiscal Year Annual Research Report
顎口腔系における感覚受容システムの免疫組織化学的,微細構造学的解析
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63440069
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 歯学部, 助手 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修 新潟大学, 歯学部, 助手 (80202092)
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Keywords | 歯根膜 / ルフィニ小体 / 立体構築 / CGRP / 顎関節 / 免疫組織化学 / 矯正力 / ニュ-ロフィラメントプロティン |
Research Abstract |
1.歯根膜Ruffini神経終末の微細構造を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、さらにコンピュ-タ-を用いて三次元立体再構築を試みた。歯根膜Ruffini神経終末の軸索終末は広い板状を示すものとノブ状を示すものにわけることができた。またこれら軸索終末は2枚以上からなる厚いシュワン鞘に被覆され、シュワン鞘とシュワン鞘の隙間から指状の軸索終末突起を出していた。またこの軸索終末を出しているシュワン鞘の隙間の面積は以外に少ないことが明らかになった。 2.ヒト歯根膜神経支配をNFPの免疫組織化学を用いて検索したところ、根尖部付近がとくに密な神経支配を受けていた。ヒト歯根膜神経終末は樹枝状を示す自由神経終末が最も多く観察され、特殊神経終末としては軸索終末がやや発達の悪いRuffini神経終末と紡錘形を示す神経終末が根尖部近く、コイル状を示すものが歯頚部よりに認められた。これら神経終末は歯に力を加えた際、歯根膜線維の変位量が多い部位に遅順応性知覚受容器が、少ない部位に速順応性知覚受容器が存在し、機械受容器の分布にはregionーspecifityがあると考えられた。 3.ラット臼歯を実験的に歯牙移動させ、歯根膜神経の動態をCGRPの免疫組織化学を用いて検索した。CGRP神経は経日的にその数を増し、歯根膜組織の改造が最も活発な3日目をピ-クとして減少傾向を示し、実験後7日で対象群とほぼ同一の神経分布になった。歯牙の移動にともないペプチド作動性神経の分布様式がダイナミックに変化してゆき、痛覚の出現および組織改造現象になんらかの影響を与えているものと考えられた。 4.ラット顎関節の神経終末をNFPの免疫組織化学を用いて検索したが生理学的に言われているような特殊な神経終末は確認することができなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Maeda et al.: "Nerve terminals in human periodontal ligament as demonstrated by immunohistochemistry for neurofilament protein (NFP) and Sー100 protein." Archives Histology and Cytology. 53. 259-265 (1990)
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[Publications] T.Maeda et al.: "Cholinesterase activity in terminal Schwann cells associated with Ruffini nerve endings in the periodontal ligament of rat incisors." The Anatomical Record. 228. 339-344 (1990)
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[Publications] O.Sato et al.: "Immunohistochemical demonstration of nerve growth factor receptor in human teeth." Biomedical Research. 11. 353-358 (1990)
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[Publications] K.Kannari: "Sensory receptors in the periodontal ligament of hamster incisors with special refernce to the distribution,ultrastructure and threeーdimensional reconstruction of Ruffini endings." Archives of Histology and Cytology. 53. 559-573 (1990)
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[Publications] 斉藤 功ほか: "実験的歯牙移動時におけるラット臼歯歯根膜内神経線維の免疫組織化学的研究" 日本矯正歯科学会雑誌. 49. 466-474 (1990)
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[Publications] 前田 健康ほか: "歯根膜感覚受容器の形態" 歯科ジャ-ナル. 33. (1991)