1990 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨病変の病態並びに治癒過程における骨塩定量に関する研究
Project/Area Number |
63440077
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
関山 三郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (90048299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深澤 肇 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (40128939)
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Keywords | 骨塩量 / 骨密度測定装置 / 顎骨 |
Research Abstract |
1.犬下顎骨と脛骨に4ーNitroquinolineーNーoxideを用いて実験的に骨髄炎を発生させ、骨塩量の変化をDual energy Xーray absorptiometryを用いて定量、検討し次の結果を得た。 (1)下顎骨全体のBMDは2週で0.59g/cm^2であったが、以後増加傾向を示し、12週では0.63g/cm^2を示した。 (2)脛骨全体のBMDは2週で0.72g/cm^2で、以後増加し、6週で0.75g/cm^2を示したが、12週では減少に転じ0.69g/cm^2となった。 (3)下顎骨と脛骨の実験側のBMDは増加傾向を示したが、対照側との比較で脛骨の方が高値を示すとともに、X線所見でも外骨膜新生像が著明であることより、骨種による反応性の差異の可能性が示唆された。 2.臨床症例へ応用するにあたり、健常成人ボランティアの測定を試みた。頭部規格測定装置を作製したところ、規格測定装置の規格再現性は平均2.0%と比格的良好であり、この装置の使用により、下顎骨骨体部の測定は可能となった。現在、同部の腫瘍および骨髄炎症例について、経時的観察を続けている。 3.いままでの検討により、顎骨病変に対する臨床検査の1つとして、十分適用するものと考えられた。今後、臨床検査としてより幅広く応用していくためには、下顎骨の任意の部位を測定できること、患者の姿勢維持がより楽であること等が不可避であると思われる。そのための機器の改良は、まず線管、detecterを自在に動かせるようにすることではないかと考えている。
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