1989 Fiscal Year Annual Research Report
デ-タ-ベ-ス・コ-パスの電算機処理による基礎語彙の二言語対照記述-日独両語の場合-
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63450063
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
千石 喬 東京大学, 教養学部, 教授 (40012281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重藤 実 東京大学, 教養学部, 助教授 (80126078)
新田 春夫 東京大学, 教養学部, 助教授 (00012443)
宮島 達夫 国立国語研究所, 研究室長 (30099915)
池上 嘉彦 東京大学, 教養学部, 教授 (90012327)
岸谷 敞子 東京大学, 教養学部, 教授 (70012490)
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Keywords | 対照言語学 / ドイツ語学 / 日本語学 / 二言語辞書 / 基礎語彙 / 動詞結合価 / テキストコ-パス |
Research Abstract |
1)昨年来、日本語、ドイツ語、英語などに関するさまざまな動詞基礎語彙の体系的分類の試みを比較、検討してきたが、独自に、我々の目標とする複数の言語の対照記述の立場から、分類基準を見直し、場所理論に基づく、個別言語を越えた分類基準を導入して、新たな枠組みを開発し、完成させた。 2)日独両語の動詞基礎語彙の体系的分類には、Aspekt,Aktionsartを横軸に、必須共起成分の種類に関するOnomasiologieの視点を縦軸にした分類が有効であることが、最終的に確認された。 3)九州大学のト-マスマン・コ-パスおよび独自に作成した動詞基礎語彙のデ-タ-ベ-スによって、動詞語彙素ごとに共起成分の収集を行った上で、さらにそれらに意味論、統語論的な情報を付加した。 4)それらを1PLなどの既存の資料とも比較検討し、場合によっては修正、補足しながら、代表的語彙素について記述を完成させた。 5)コンピュ-タに入力した動詞語彙素を、見出し語とて収集し、分類してある共起成分を、そのうちの名詞語彙素を見出し語として組み替える方式を検討し、試験的に出力を試みた。 6)動詞語彙素のデ-タ-を組み替えて名詞語彙素を見出し語とするデ-タ-を作成するのは、現段階ではデ-タ-量が不足である。しかし動詞基礎語彙の枠組みを越えずに、それらの共起成分として現れる名詞語彙素を増やすには、マンハイムのドイツ語研究所や国立国語研究所などの大規模なデ-タ-ベ-スを利用すれば可能なことが判明した。 7)研究の基礎となった理論面をも含めた論文集を準備し、今後の動詞基礎語彙全体の記述の完成に備えた。
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[Publications] 池上嘉彦: ""HAVE+object+past participle"and"GET+object+past participle"in the SEU Corpus" Meaning and Beyond. 197-213 (1989)
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[Publications] 宮島達夫: "Changes in the language of a magazine" Japanese Cuantitative Linguistics. (1989)
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[Publications] 宮島達夫: "動詞の意味範疇の日中比較" ことばの科学. 2. (1989)
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[Publications] 新田春夫: "多様性と規範制 -初期新高ドイツ語時代の社会状況と言語意識-" ドイツ文学. 84. 11-21 (1990)
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[Publications] 重藤実: "中高ドイツ語研究におけるデ-タと仮説" 初期・中期ドイツ語(8世紀〜16世紀)の歴史における構造と規範. 21-31 (1988)
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[Publications] 渡辺伸治: "現代ドイツ語移動動詞gehen/kommenにおける共感度特性" 東京大学教養学部教養学科紀要. 20. 50-76 (1988)