国際化時代における山村経済の活性化と林政の役割に関する研究

1988 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 63450091
• Research Institution: Hokkaido University
• Principal Investigator: 霜鳥 茂 北海道大学, 農学部, 教授 (10001405)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 柿沢 宏昭 北海道大学, 農学部, 助手 (90169384) ; 秋林 幸男 北海道大学, 農学部付属演習林, 助教授 (00113506) ; 小鹿 勝利 北海道大学, 農学部, 助教授 (30001506) ; 成田 雅美 筑波大学, 農林学系, 助教授 (30164502) ; 石井 寛 北海道大学, 農学部, 助教授 (10002057)
• Keywords: 一戸建住宅 / カラマツ需要 / 梱包材 / パルプ原料 / 相対的過剰人口 / 村おこし / リゾート開発

Research Abstract

昭和63年度は、各分担別に道内を中心に調査を重ねたほか、北海道との比較のために、道外で共同調査を実施した。得られた知見を列挙すれば以下のとおりである。
1.製材流通については、この20年間で寒地一戸建住民の建築様式が大きく変化し、これに伴い生産品目・流通組織に変化がみられるが、需要拡大のためにはそれらの合理化は一層進むものと思われる。
2.カラマツ需要は、製材においては梱包材需要が中心であり、間伐材においてはパルプ原料中心の需要であるため、生産コストと市場価格との差は小さいか逆ざやかであり、そのためカラマツ伐採跡地の再造林と間伐がすすんでいないという問題をかかえている。
3.林業労働については、林業生産の縮小に伴って老・壮年労働力が相対的に過剰化し、その再編を余儀なくされている。
4.「村おこし」に関しては、産業構造基盤の確立こそが第一義であり、それと共に、それと結びついた「人づくり」が必要であり、また行政による財政的援助の結合が必要である。
5.リゾート開発は過疎地での「村おこし」に一定の効果をもたらしているが、これに伴って林地移動が進行しており、今後の森林管理のあり方が問題となる。
平成元年度も前年度に引き続き、大きくは国際競争力のもてる低コスト林業の組織化のあり方を研究する分野と、山村活性化のための農・林産品を中心とした「村おこし」、リゾート開発について研究する分野に分けて補足的に調査を実施する。これらの実態調査と併行して最近の全国的・全道的な資料を収集し、これとの関連で北海道の位置づけを行い、問題点とあり方を検討すると共に、政策・制度のあり方を検討する。

Research Products

• [Publications] 霜鳥茂/秋林幸男: The Curent State of Japanese Forestry(VI)--Its Problems and Futuxe--;The Japanese Forest Economic Society. 1989.
• [Publications] 石井寛: 林業経済研究. No.114. 55 (1988)
• [Publications] 石井寛: 日本林学会大会発表論文集. 100回. (1989)
• [Publications] 小鹿勝利: 北海道大学農学部演習林研究報告. 47. (1989)
• [Publications] 神沼公三郎: 北海道大学演習林研究報告. 47. (1989)