1989 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの発達過程に伴う巧緻性の変容とそれに関わる指導法に関する研究
Project/Area Number |
63450100
|
Research Institution | AICHI UNIVERSITY OF EDUCATION |
Principal Investigator |
黒川 建一 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50033189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合屋 十四秋 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90109372)
村岡 眞澄 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20024101)
橘田 紘洋 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20024010)
中村 よし子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00109373)
柴田 録治 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20023997)
|
Keywords | 巧緻性 / 木工技能 / 運動調整能力 / スポ-ツパフォ-マンス / 記憶画 / 技能要素 / リズム感覚 / 連続跳び |
Research Abstract |
初年度における研究の結果、子どもの技能発達は連続ではなく、技能の種類によって、完成する年令も異なることを明らかにした。これ等の技能習熟と描画能力とを比較すると、係わりが見られるところから、技能習得は認知発達と関わるものと仮定した。 本年度においては中学生を対象として、加工道具の使用能力を調べた。結果、上記仮設を指示する知見を得た。すなわち、中学生は基本的な認知はほぼ完成されつつある時期にあり、従って、道具の使用能力ももっているはずである。そこで、かんながけやのみ加工のできない中学生を指導した結果、90%以上の高率で技能習得がなされた。これらから、中学生の技能習得能力はほぼ十分にそなわっており、適正な指導因子を整理することによって指導が可能であることがわかった。 同様な結果は、なみ縫の技能にも見られ、技能習得には適正な指導法の整理が欠かすことのできないものであることを明らかにした。 運動面においては、子どもの捕球動作及び視覚入力時間を調べた結果、捕球動作は年齢に係わらず視覚入力15%が必要であること、また、複合認知の正確性は7〜12才までの間に発達することがわかった。これ等を整理することによって捕球動作要素として6因子をあげることができた。 さらに、水泳を中心とした、技能習得の縦断的研究から、非日常的な動作は働きかけの時期や内容によって、習得度合が大きく影響されること、全身持久能力などは日常の生活に左右されることが明らかになった。 一方技能発達を幼児期のリズム感覚からみると、リズム動作の習熟と運動調整能力の発達とが互いに相関していることが推定された。各分担領域を共通して、技能の習熟は認知の発達と強く係わっていることが整理された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 橘田紘洋: "普通教育における木材加工教育の役割と教育適時性について" 愛知教育大学研究報告. 39. 85-96 (1990)
-
[Publications] 合屋十四秋: "平泳ぎのトップスイマ-の泳法のバイオメカニクス的研究" バイオメカニクス研究. (1990)
-
[Publications] 鬼頭伸和: "視覚入力と基本動作" バイオメカニクス研究. (1990)
-
[Publications] 橘田紘洋: "中学生における木材加工技能の習熟" 日本人間工学会誌.
-
[Publications] 橘田紘洋: "子どもの図描能力と技能発達との関係" 日本産業技術教育学会誌.
-
[Publications] 宇納一公: "描画表現における目と手の働き" 愛知教育大学研究報告.