1988 Fiscal Year Annual Research Report
カロリメター中に発生する中性子の半導体検出器とエレクトロニクスに及ぼす影響
Project/Area Number |
63460016
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大杉 節 広島大学, 理学部, 助教授 (30033898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敬比古 文部省, 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (30150006)
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手
千葉 保男 広島大学, 理学部, 助手 (10106792)
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Keywords | 中性子損傷 / 半導体検出器の放射線損傷 |
Research Abstract |
次世代の高エネルギーハドロンコライダーでの実験では、使用される粒子線検出器の放射線による損傷が重大な問題になると予想されている。そこで原子力研究所の東海実験用原子炉JRR-4、および立教大学の実験用原子炉で、最も典型的な半導体検出器であるPIN型ホトダイオード、およびストリップ検出器の呼び出しエレクトロニクスとして開発中のバイポーラ・プリアンプの中性子照射実験を行った。JRR-4での中性子照射実験の結果についてはNuclear Instrument and Methods in Physics Research Aに近々掲載される予定である。この実験では中性子損傷により、PINホトダイオードの暗電流は線量に比例して増加し、その増加定数は単位体積に1個の中性子入射という条件に正規化すると6.6×10^<-17> A・cm^<-1>となる。この結果は以前の高エネルギー陽子損傷実験の結果^<(1)>と比較すると約2倍であり、低エネルギーのγ線や電子線に比べると非常に大きな値となっており、損傷の割合が大きいことがわかった。またPINホトダイオードを作る高品質のシリコン結晶(高比抵抗シリコン結晶)は、不純物を多く含む一般用途の比較的低比抵抗のシリコンに比べて、損傷の割合が小さいかあるいは回復が早いために、照射3週間後の測定にかかる損傷は小さいことがわかった。 また立教大学の実験用原子炉での中性子照射実験では、放射線損傷の室温での自然焼鈍を測定した。また高速バイポーラアンプの中性子照射による性能劣の測定も行った。この照射実験結果については現在解析中である。平成元年度も、昭和63年度の研究結果確認のため、中性子照射実験をもう一度行う予定である。 実考文献 1)T.Ohsugi et al.,Nucl.Instr.&Meth.A265(1988)105
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Research Products
(1 results)