1990 Fiscal Year Annual Research Report
He^3温度領域における重フェルミオン系のポイントコンタクト分生法による研究
Project/Area Number |
63460023
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
國井 暁 東北大学, 理学部, 助手 (10004368)
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Keywords | 重フェルミオン / ポイントコンタクト分光 / 高濃度近藤 / 稀土類ヘキサボライド |
Research Abstract |
ポイントコンタクト分光法はバルク物質に対して、低エネルギ-の素励起及びフェルミ面近傍の電子状態密度を明らかにできる実験手段として、他の実験手段では因難なエネルギ-領域に於ける相補的知見を開拓しつつある。以下、本年度の研究実績の要点を記す。 1.低温用ポイントコンタクト分光装置の完成: 重フェルミオン研究に極低温は不可欠であるが又同時にポイントコンタクト・スペクトルの再現性及び信頼性が損なわれることがあってはならない。我々は既に前年度までに設置されているポイントコンタクト測定用クライオスタットの真空・断熱・防振・He^3量のチェック及び改良により、ほぼ満足すべき低温が得られた。 2.試料作成及びその物性測定研究:稀土類ヘキサボライドを中心に、高純度・無欠陥試料を目指し、既設高温高圧高周波炉により、フロ-ティングゾ-ン法を繰り返し、さらにパスをゆっくり行なうことにより、各種単結晶が得られた。これらの試料は本研究に使用されたのみならず、本研究の目的をサポ-トする国内外の各種共同研究が前年に引き続き、筆者の試料提供により行われた。 3.ポイントコンタクトスペクトルの測定: 前年までの測定に於ける不備の点及び重要な点に於ける追試が行われた。その結果、前年までの我々の結果は再現性もあり、信頼できるデ-タであることが明らかとなった。特に重フェルミオンCeB_6に於て、低温磁場中の電圧ジャンプは新らしい発見と考えられ、近藤ギャップとの関連を追求中である。
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[Publications] S,Kimura: "Interband Optical Spectra of Rareーearth Hexaborides" J,Phys.Soc,Japan. 59. 3388-3392 (1990)
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[Publications] S,Kimura: "Anomalous Infrared Absorption in Rareーearth Hexaborides" Solid State Commun.75. 717-720 (1990)
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[Publications] P,Morin: "Quadrupolar properties and Magnetic Phase Diagrams in PrB_6 Hexaboride Compound" J,Magn,Magn,Mater. (1991)
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[Publications] S,Kunii: "Thermoelectric Power in Ce_<1ーx>La_xB_6 Kondo Systems" J,Magn,Magn,Mater. (1991)