1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460080
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
白樫 高洋 東京工業大学, 工学部, 教授 (50016440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 雅彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (40201032)
帯川 利之 東京工業大学, 工学部, 助教授 (70134830)
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Keywords | 超精密切削 / 微細切削 / 切削機構 / 切削厚さ / 結晶粒 / 結晶方位 |
Research Abstract |
本研究はエレクトロニクス、レーザー工学、極短波長光学の分野で要求されるnm、〓オーダーの超高精度機器を切削加工により安定して得る、いわゆる超精密切削に関するものである。超精密切削は同時に微細切削であり、工作物の微視的な特性が加工機構に顕著に現れるため従来の巨視的特性を基礎とした理論の妥当性は疑問である。本年度は微細切削時の現象の把握と切削モデルの確立を目指して以下について検討した。 1)微細切削装置の試作:まず理論解析のための切削モデルを確立する必要があり、このために切削厚さ5μm以下の微細切削にて切り屑生成過程を安定して連続的に観察できる装置を試作した。切削過程の観察には高倍率大焦点深度を有する走査型顕微鏡(SEM)を用いねばならず、また連続観察のためにはSEM内で切削を行うのが有利であるため、SEM内で切削厚さ設定・切削力測定が容易な切削試験機とした。本年度はSEMを購入し、装置の組み込みと予備試験を行った。この結果、試験機に部分的な改良は必要と思われるもののほぼ要求を満たす性能であることが判明し、現在この改良を実行中である。 2)予備試験と2・3の結果:微細切削では既述のように切削厚さが数μm以下となり、工作物を構成する結晶粒子サイズ以下となる。従って切り屑生成は種々の方位を有する結晶粒を連続的に切削することによりなされる。ここでまず問題となるのは結晶方位・粒界等異方性の著しい工作物を切削するときの現象である。本年度は脆性ではあるが異方性を示さない非昌質の切削を行い、切り屑生成機構を検討した。その結果切り屑生成機構は切削厚さにより大きな影響を受け、たとえ脆性材料であっても切削厚さが1μm以下ではほぼ連続的な流れ型切り屑が生成し、加工面が良好となることを見出した。また5〜10μmの切削厚さでは不均一な辷りの集積として切り屑が生成されることがわかった。
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