1989 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化及びPSD発生に関する血管内流動の流体力学的研究
Project/Area Number |
63460089
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷田 好通 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50013628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 優史 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10013731)
長島 利夫 東京大学, 工学部, 教授 (70114593)
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Keywords | 血液流 / 血管 / 動脈硬化 / PSD / 脈動流 |
Research Abstract |
実験:前年度に製作・購入した装置を用いて実験を行った。 (1)シミュレ-ション実験:紡錘状狭窄を設けた管路内の種々の点で定常流及び拍動流を与えた場合の管壁圧力を測定し、狭窄によって生じる剥離域の内部や再付着点近傍での定常圧力と圧力変動がどの様な性質を持つかを明かにした。また、流速、振動数、振幅等を様々に変化させて測定を行い、拍動に伴う剥離点・再付着点の移動、レイノルズ数やウオマスレ-数による剥離域の大きさの変化等を明かにし、これらの諸現象と血管損傷との関連について考察した。 (2)生体モデル実験:動脈に生ずる狭窄後膨脹(PSD)発生の流体力学的要因としては、剪断応力、乱流による圧力変動、物質拡散の変化等が考えられる。本年度はこの中剪断応力と圧力変動に注目し、狭窄を有する管内に非定常流を発生させた時の狭窄下流の流れ場を調べた。その結果、狭窄下流の管壁には、流れ開始直後は下流向き、剥離部の到達時にはその先頭渦により大きな上流向きの剪断応力が加わること、また壁面圧力は剥離部の通過により変化するが、その大きさは小さく高周波成分も含まないことなどが明かになった。さらに弾性管を用いて実験を行った結果、PSD発生の流体力学的要因としては、壁面圧力変動による血管壁の弾性的性質の劣化(疲労)が重要なものとして推論された。 理論:二次元及び三次元の狭窄を有する管路内の脈動粘性流れを数値解析した。まず、定常流において速度場、渦生成、再付着点等に対するレイノルズ数、狭窄度の影響を調べ、ついで脈動流においてウオマスレ-数による剥離渦の挙動の変化を明かにした。 これらよりPSD発生に関係する流体力学的因子の効果が明かにされたが、血管壁の弾性組織の疲労との関連を解明することが今後に残された課題である。
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