1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 稔 東京大学, 工学部, 教授 (10010703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 崇 東京大学, 工学部, 教務職員 (90107566)
清水 修 東京大学, 工学部, 助手 (20011182)
田中 良明 東京大学, 工学部, 助教授 (30133086)
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Keywords | 高信頼通信網 / グラフ理論 / 独立経路数 |
Research Abstract |
グラフの節点間の独立経路数を計算することは、高信頼非階層通信網の設計において重要である。独立経路数は、節点独立、枝独立の別、有向グラフ、無向グラフの別、経路の長さに関する制限の有無などにより幾種類か考えられる。節点独立経路数は、始点、終点以外に節点を共有しない経路の数であり、局障害に対する信頼性を表している。一方、枝独立経路数は、枝を共有しない経路の数であり、回線障害に対する信頼性を表している。また、通信網への適用の点では、有向グラフで経路の長さに制限がある場合が重要である。有向グラフで長さに制限がある場合の独立経路数計算法は、幾つかの場合について知られている。まず、長さ1、2および2以内の場合については、節点独立経路数、枝独立経路数とも容易にわかる。また、長さ3、および3以内の枝独立経路数、長さ3、3以内、および4以内の節点独立経路数については、計算のための速いアルゴリズムがある。これら以外の場合については、独立経路数の真の値を求める速い方法はない。しかし、枝独立経路数に関しては、任意の長さlの場合l以内の場合について、近似式がある。この枝独立経路数近似式は、行列計算を用いたものでスーパーコンピュータ向きであり、また比較的精度が良い。本年度は、この枝独立経路数近似式と類似の考え方により、任意の長さlの場合およびl以内の場合についての節点独立経路数近似式を導いた。 高信頼非階層通信網の設計においては、最終的に、設計した網に関し、回線に障害が生じた場合の特性を調べる必要がある。その検討を理論計算で行うことは、計算量の点で困難であるので、シミュレータを用いて行う必要がある。本年度は、その準備として、シミュレータの設計を行った。
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[Publications] 田中良明: 電子情報通信学会論文誌. J71-B. 483-489 (1988)
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[Publications] Y.Tanaka: International Teletraffic Congress. 4、2B5 (1988)
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[Publications] 田中良明: 電子情報通信学会論文誌. J71-A. 1473-1746 (1988)
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[Publications] Y.Tanaka: International Seminar on Teletraffic and Network. 98-101 (1988)