1988 Fiscal Year Annual Research Report
台風時の風の特性およびその構造物に対する影響について
Project/Area Number |
63460173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 順治 京都大学, 防災研究所, 教授 (20034340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 助手 (00190570)
谷池 義人 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00111980)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助手 (10111981)
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Keywords | 強風 / 自動計測 / 風圧計測 / 基準静圧 / 傾斜管マノメータ / 多点同時測定 / 竜巻 / 被害調査 |
Research Abstract |
本年度は主に潮岬風力実験所において野外実験および観測を行った。期間中に台風の接近は無かったが、季節風および近くに発生した竜巻による強風時のデータを得ることができた。詳細は以下の通りである。 1.強風自動計測装置 夜間の急な突風のように予め強風が予測できない場合でも自動的に計測が行えるように、小型のパソコンを用いて自動計測システムを試作し、平均風速が10m/sを越えると風向風速を30分間測定し、カセット磁気テープに記録するようにセットした。現在までに約300例の強風時の風向風速の記録がとれている。 2.自然風中の風圧計測 潮岬風力実験所に設置した小規模構造物模型を用いて外壁面、屋根面における外圧と室内の絶対圧、屋上における基準風速の同時計測を実施した。台風には恵まれなかったが、瞬間最大21.6m/secに達する季節風時の計測に成功した。新しい知見としては室内圧変動と速度圧変動との相関関係を利用して基準静圧を定める方法を示すことができた。これにより室内に解放端をもつ多点傾斜管マノメータの読取データの値を補正することができた。また計測に用いた傾斜管マノメータは多点同時測定に威力を発揮し、外圧計測には応答性が良くなくてもよいことも判明し、この種の計測には有望であることがわかった。詳細な解析はまだであるが、従来の速度圧と圧力係数といった単純なものではないことがわかった。 3.竜巻の被害調査 1988年9月25日9時45分頃に串本町潮岬で竜巻が発生し、長さ10kmにわたって被害が発生した。付近の気象要素の資料や墓石の転倒の被害から風速を推定すると瞬間最大風速は60m/sに達することがわかった。また竜巻の最大風速半径は60ー70mであることも被害の分布から推定された。
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