1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63460218
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
永井 恒司 星薬科大学, 薬学部, 教授 (40061270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 啓 星薬科大学, 薬学部, 助手 (00160565)
高山 幸三 星薬科大学, 薬学部, 助手 (00130758)
上田 晴久 星薬科大学, 薬学部, 講師 (20061301)
町田 良治 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (00061292)
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Keywords | 経鼻吸収 / 粘膜吸収 / インスリン / インターフェロン / リポソーム / 表面電荷 / 鼻粘膜 / 粘膜付着 |
Research Abstract |
ペプチド薬物(インシュリンおよびインターフェロン)の経鼻吸収による適用法を開発する目的で剤形について検討した。既にインシュリンにおいてはウサギに粘膜付着性基剤を用いることによって、血中への吸収を高めることを報告した。インターフェロンにおいても、インシュリンと同様に、粘膜付着性賦形剤を用いて、ウサギにおける粉末剤形の鼻粘膜吸収実験を行った。その結果、まず粘膜付着性賦形剤だけでは血中にインターフェロンは検出されなかった。従って、種々の吸収促進剤として、胆汁酸塩およびカプリル酸ナトリウムを用いて検討した。その結果、グリココール酸ナトリウムが最も吸収促進効果が高かった。しかし、まだ生物学的利用能が低い(約3%)ので、吸収を高めるために、粘膜付着性賦形剤を試みた。カーボポールやヒドロキシプロピルセルロース等を用いたが、血中への吸収率を高めることはできなかった。これは、インターフェロン製剤の安定性のために添加されている人血清アルブミンとカーボポールが沈殿を生ずるため、インターフェロン自体が不安定になったためと考察した。又、インターフェロン粉末製剤の鼻粘膜上での安定性をin vitroで調べた結果、グリココール酸ナトリウムは鼻粘膜上での蛋白分解酵素阻害作用があることがわかった。しかし、in vivoの実験結果からは、鼻粘膜上でのインターフェロンが失活していると推察された。従ってペプチド薬物を粘膜上の蛋白分解酵素から保護するために、リポソーム化を試みた。ここでは薬物としてインシュリンを用いた。まずリポソームはMLVとし、調整後のリポソームの特性を、粒子径、内包率および表面電位測定より調べた。その結果インシュリンは、負荷電のジセチルホスフェイトが存在するリポソーム中に、調整時の約10%を内包された。又、リポソームの表面電荷はインシュリンによって変化しないことがわかった。
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[Publications] T.Igawa.;T.Nagai.: Chem.Pharm.Bull.37. 418-421 (1989)
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[Publications] Y.Maitani.;T.Nagai.: Int.J.Pharm.49. 23-27 (1989)
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[Publications] Y.Maitani.;T.Nagai.: Drug Design and Delivery. (1989)