1988 Fiscal Year Annual Research Report
重症心身障害児の健康管理・体力向上のための受動的運動負荷による訓練プログラム
Project/Area Number |
63460230
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
三田 勝己 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 治療学部, 室長 (40100169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤滝 久美 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所・治療学部, 研究助手
宮側 敏明 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所・治療学部, 研究員 (40067252)
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Keywords | 重症心身障害児 / 健康管理 / 体力 / 循環機能 / 下半身陰圧負荷 |
Research Abstract |
本研究では、自発的な運動能力を全く持たない最重度重症心身障害児の健康管理、体力向上を目指し、受動的に身体負荷を加えることによって循環機能を刺激し、機能改善を促す装置とこれを用いた訓練方法の開発を目的とした。このため、我々は「下半身陰圧負荷法」を導入することにした。すなわち、本方法は、下肢に陰圧を加え、上体との圧勾配によって血液を移行させる方法であり、臥位の状態においても抗重力姿勢における血液循環の状態を模擬できる。この方法は、無重力の宇宙に長期間滞在した結果生ずる循環機能低下の回復を促すために宇宙医学で広く用いられ、その有効性が確認されている。一方、重症心身障害児の多くは座位や立位の抗重力姿勢をとる機会をほとんどもたない。この様な現状は宇宙飛行士のもつ問題と一部類似するものと想定される。この様な観点から、下半身陰圧負荷法に注目したのである。 本研究における下半身陰圧負荷装置は、自力で移動できない重症心身障害者が陰圧カプセルに容易に入ることができる上下脱着式の構造とし、材料は内部状態を常時監視でき、強度を考慮して透明のアクリルを使用した。また陰圧カプセルの形状は、強度的に円筒形が適当であるが、市販でこのような大きな寸法の円筒は入手できず、まず試作1として、比較的安価な直方体のカプセルを製作した。しかしながら、この装置では-30mmHgの陰圧を維持することが限度であり、これ以上は安全性が保証できなかった。このため、試作2として、半円筒形の陰圧カプセルを製作した。この装置は-100mmHgまでの陰圧が保証でき、カプセルの基本的な製作は終了した。現在、重症心身障害児を-20mmHg、健常成人を-35mmHgまで陰圧負荷し、心拍数、血圧、指尖容積脈波などの循環パラメータを収捨し、多次元に分析を行なっている。
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Research Products
(1 results)