1988 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面における炭化水素ラジカルの発生とその反応性に関する研究
Project/Area Number |
63470003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大西 孝治 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70011492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堂免 一成 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10155624)
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Keywords | カルベン / アルミニウム単結晶 / 高感度反射赤外分光法 |
Research Abstract |
固体表面、特にアルミニウム等の典型金属の清浄な単結晶表面上での反応を検討する為に、電子線回折(LEED)及びオージェ電子分光(AES)装置を備えた超高真空装置を製作した。本装置はオイル拡散ポンプにより到達真空度は10^-^1^0Torr以下である。またイオンガン及び質量分析器を備え超高真空内での表面反応を調べられる。更にこの超高真空チェンバーに直結して高感度反射赤外分光法(IRAS)用の小さいチェンバーがゲートバルブを介して取り付けられている。このIRAS測定用チェンバーは、超高真空から常圧付近まで圧力を変化させる事が可能で、反応条件下の表面分光が可能である。本装置を用いて次年度より予定通り炭化水素ラジカル発生のメカニズムについて調べていく予定である。この装置製作と並行して昇温離脱法(TPD又はTDS)によるアルミニウム単結晶(111)面及び(110)面でのジョードメタン、CH_2I_2の反応について具体的な検討を行った。アルミニウムの単結晶を液体窒素で冷却した表面(〜110K)にCH_2I_2を吸着させ、温度を上げた時の反応について調べた。その結果、吸着量が少ない時(表面に一層以下)には両方の単結晶表面でカルベンCH_2が生成する事が確認された。また吸着量が増えると(二層以上)、(111)面では約150Kでエチレンが脱離してくるが(110)面では、同条件下でエチレンが全く生成しない事が判った。更に温度を上げていくと500K付近で(CH_3AlHl)_2と考えられる有機アルミニウム化合物が脱離する事が初めて確認されたが、この場合にも(111)面と(110)面でその脱離挙動に大きな違いがあった。以下の様にアルミニウム単結晶を使った実験から、典型元素上での炭化水素生成には従来予想されていた以上に、非常に顕著な面方位依存性がある事が明らかになり、その具体的なメカニズムについて上記装置を用いて詳細に検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Can,Li: J. Chem. Soc., Chem. Commun.1541-1542 (1988)
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[Publications] Yoshihisa,Sakata: Appl. Surf. Sci.,. 35. 363-370 (1988)
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[Publications] Yoshihisa,Sakata: Appl. Spectroscopy. 42. 442-444 (1988)