1988 Fiscal Year Annual Research Report
各種吸着体を用いる超微量金属元素の分離濃縮及びキャラクタリゼーション
Project/Area Number |
63470028
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
寺田 喜久雄 金沢大学, 理学部, 教授 (50019460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健 金沢大学, 理学部, 助手 (20110603)
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Keywords | チオナリド担持シリカゲル / 超微量ビスマス / ポリ(クロロトリフルオロエチレン)樹脂 / オキシン / 銅(II) / -CS_2基導入キチン / ^<99m>Tc / 水素化物発生原子吸光法 |
Research Abstract |
1.チオナリド担持シリカゲルによる超微量ビスマスの濃縮分離/水素化物発生原子吸光法:光導体材料など工業的に重要なビスマスの水中濃度はpptレベルで、定量には予備濃縮が不可欠である。チオナリドをシリカゲルに担持させた機能性吸着体を調製しBi(III)の吸着挙動をしらべた。Bi(III)は<IMの硝酸又はpH>1の塩酸溶液から定量的に吸着捕集される。2.2ml min^<-1>以下の流速でカラムに100%吸着し、4M塩酸で完全に溶離され、直接に水素化物発生ーAASにより高感度で定量できる。この吸着体のBi(III)に対する吸着容量は2.1μ molg^<-1>であり、FIAによるミクロ化を研究中。 2.ポリ(クロロトリフルオロエチレン)樹脂への金属錯体の吸着挙動:PCTFEが金属オキシネートを吸着することを見い出したので、その機構を研究した。銅(II)の8ーキノリノールスルホン酸及びPAR錯陰イオンは、PCTFEにほとんど吸着しないが、対イオンとしてテトラブチルアンモニウムを添加すると前者はpH【greater than or equal】3で、後者はpH【greater than or equal】10で完全に吸着された。これらの結果から、この樹脂は中性の錯体及び対イオンの添加により表面電荷密度が小さくなった錯体のみを吸着することがわかった。銅(II)は1M塩酸又はメタノールで完全に溶離され、天然水中の銅(II)の予備濃縮/A〓〓〓 3.CS_2基を導入したキチンによる超微量金属の予備濃縮分離:天然高分子キチンにCS_2基を導入した機能性吸着体を合成し、銅(II)及び^<99m>Tcの吸着挙動をしらべた。銅(II)はpH【less than or equal】5、^<99m>TcはpH【less than or equal】2の塩酸溶液からそれぞれ定量的に吸着した。この吸着体の銅(II)に対する吸着容量は3.12mg g^<-1>で、Cu:Sのモル比は、1:3.5であった。pH1.6の銅(II)溶液を16ml min^<-1>の流速でカラムを通過させて定量的に吸着され、3%チオ尿素を含むIM硝酸で完全に溶離できた。^<99m>Tcは2.4ml min^<-1>の流速で定量的に吸着し、3%過酸化水素を含むアンモニア水で90%が溶離された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takaharu HONJO: Fresenius' Z.Anal.Chem.330. 159-160 (1988)
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[Publications] Takaharu HONJO: Fresenius' Z.Anal.Chem.331. 647 (1988)
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[Publications] Akihiko HARUTA: Anal.Sci.(1989)
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[Publications] 寺田喜久雄: ぶんせき. '88. 81-87 (1988)
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[Publications] 寺田喜久雄: 表面. (1989)