1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470071
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
生越 久靖 京都大学, 工学部, 教授 (90026188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 秋弘 長岡工専, 合成化学, 助手 (60179190)
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Keywords | 腫よう検出 / 画像化プロ-ブ / 腫よう集積性金属錯体 / 金属ポルフィリン / ^<19>F-NMR |
Research Abstract |
人体の腫瘍部の検出とその3次元画像化を行うための化学プロ-ブの合成は物理化学的手段との組み合わせで多様なアプロ-チが可能である。本研究では生体組織中には存在しない放射性元素(ヨウ素)、非放射性元素(フッ素)を含む色素分子を実験動物に注入し、腫瘍部に集積した状態を各種の物理化学的な手段(核磁気共鳴吸収、電子スピン共鳴、蛍光、放射能測定など)により検出し、これまで困難とされた3次元画像化を可能ならしめる化学プロ-ブの合成を目的とした。1;放射性ヨウ素を含むボルフィリンの合成として、天然由来のプロトポルフィリンの脱ビニル化したデュテロパルフィリンの2,4位を容易にヨウ素化する方法を見いだした。これにより希釈した放射性ヨウ素を含むヨウ素化をロボット合成で色素に導入し得る。さらに従来の放射性元素をプロ-ブとする検出法とレ-ザ-照射による蛍光法を兼用可能である。2;生体系中では殆ど存在しないフッ素を含む色素を用い、核磁気共鳴吸収測定法により検出感度の高いフッ素をモニタ-し、腫瘍部に集積した化学プロ-ブを得るための合成を行った。分子中に含まれるフッ素の比率が直接感度に反映するために、色素にはペルフルオロアルキル基をもち、かつ水溶性の化合物が必要である。そこでペルフルオロアルキル基をもち、パラ置換ベンジル基を持つピロ-ルを合成し、ホルミル化とその還元を経由、環化してポルフィリンを誘導した。パラ位のエステルを加水分解するとテトラカルボン酸となり、生理的条件下で水に可溶化した。また水溶性ペルフルオロアルキル置換ポルフィリンは、蛍光測定により生体組織中の分布状態を調査可能であり、さらにその各種金属錯体としても水溶性を保持しているために、核磁気共鳴吸収及び電子スピン共鳴の両方を測定手段として使用し得る。現在ホモジナイズされた腫瘍組織に集積した色素は種々の物理化学的手段で検出可能である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Susuki,K.Okuda,K.Kamiyama,H.Toi,Y.Aoyama and H.Ogoshi: "Preparation and Properties of Reconstituted Myoglobins with Chemically Modified Hemes." Nippon Kagaku Kaishi.No4. 505-511 (1988)
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[Publications] Y.Ozaki,K.Iriyama,H.Ogoshi and T.Kitagawa: "Characterization of Metalloporphyrins and Metallochlorins;Resonance Raman Studies." Nippon Kagaku Kaishi.No4. 550-557 (1988)
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[Publications] Y.Aoyama,A.Yamagishi,M.Asagawa,H.Toi and H.Ogoshi: "Molecular Recognition of Amino Acids:Two-Point Fixation of Amino Acids with Bifunctional Metalloporphyrins." J.Am.Chem.Soc.101. 4076-4077 (1988)
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[Publications] Y.Aoyama,Y.Nonaka,T.Tanaka,H.Toi and H.Ogoshi: "Poler Host-Guest Interactions.Solubilizing of Some Polar Compounds with Lipophilic Calix(6)arenes Containing Polar Group in Apolar Media." J.Chem.Soc.,Perkin Trans II.1025-1029 (1989)
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[Publications] H.Ogoshi,H.Hatakeyama,K.Yamamura and Y.Kuroda: "Novel 1:1 Complex of Rhodium(III)Porphyrins with Nucleobases." Chemistry Letters.51-54 (1989)
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[Publications] K.Aoyagi,H.Toi,Y.Aoyama and H.Ogoshi: "Facile Syntheses of Perfluoroalkyporphyrins Electron Deficient Porphyrin II." Chemistry Letters.29. 1891-1894 (1988)