1989 Fiscal Year Annual Research Report
微生物細胞捕捉機能を有する高分子材料の合成及びバイオリアクタ-への応用
Project/Area Number |
63470100
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Research Institution | KYOTO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
川端 成彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70025998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古吉 節夫 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (70199446)
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Keywords | 不溶性ピリジニウム型樹脂 / 微生物細胞 / 捕捉固定化 / バイオリアクタ- / コルチゾン / プレドニゾロン |
Research Abstract |
本研究代表者は最近の研究で不溶性ピリジニウム型樹脂が微生物細胞を生きた状態で強力に捕捉することを見いだした。このような機能を有する材料が見いだされたのは世界で最初である。本研究の目的は、この樹脂の表面に捕捉固定化した微生物菌体細胞を用いて新しい方式のバイオリアクタ-を開発することである。昨年度の研究において、アスパルタ-ゼ活性の高いE.coli細胞をビ-ズ状の不溶性ピリジニウム型樹脂の表面に捕捉固定化し、これをガラスカラムにつめて連続式に反応を行ったところ、フマル酸アンモニウムからLーアスパラギン酸が高い収率で得られ、本研究の方法が微生物細胞の新しい優れた固定化方法であることが実証された。この生化学反応は溶媒として水を用いて行われるが、生化学反応に原料として用いられる基質および反応生成物には水に難溶性のものが少なくない。そこで本年度の研究においては、不溶性ピリジニウム型樹脂の表面に捕捉固定化した微生物細胞を、このような生化学反応に適用することについて検討した。3ーケトステロイドデヒドロゲナ-ゼ活性を有するArthrobacter simplex細胞を、ビ-ズ状の不溶性ピリジニウム型樹脂の表面に捕捉固定化してガラスカラムにつめ、5%メタノ-ル水溶液を溶媒として用いた連続式反応でコルチゾンをプレドニゾロンに変換することを試みた。しかしプレドニゾロンは20%程度の収率でしか得られなかった。これは不溶性ピリジニウム型樹脂の塩基性が強すぎるためではないかと思われたので、ビ-ズ状の樹脂の代わりに水には不溶性であるが有機溶媒には可溶性のピリジニウム型ポリマ-で表面をコ-ティングしたレ-ヨン不織布を用いたところ、プレドニゾロンが90%の収率で得られ、本研究の新しい微生物細胞固定化方法が、水に難溶性を対象とする生化学反応にも適用することのできることが実証された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] N.Kawabata: "Increase of Bacterial Popxlation by Cross-Linked Polyvinylpyridine Added to a Model System for Continuous Aerobic Treatment" Journal of Fermentation and Bioengineering. 68. 433-436 (1989)
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[Publications] N.Kawabata: "New Method of Immobilization of Microbial Cells by Capture on the Surface of Insoluble Pyridinium-Type Resin" (1990)