1989 Fiscal Year Annual Research Report
新型多価不飽和脂肪酸によるコレステロ-ル代謝の調節
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63470110
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅野 道廣 九州大学, 農学部, 教授 (70038181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 郁男 九州大学, 農学部, 助手 (40136544)
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Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / 血漿コレステロ-ル / 肝臓トリグリセリド / エイコサノイド / 血小板凝集 |
Research Abstract |
1.新型多価不飽和脂肪酸(PUFA)の脂質代謝調節機能 (1)Biota orientalis(中国産Biota)種子油中の5c、11c、14c、17cー20:4及び5c、11c、14cー20:3酸の効果:予め必須脂肪酸欠乏状態にしたラットに20:4酸を10日間経口投与し、通常の多価不飽和脂肪酸と比較検討した。組織脂質の脂肪酸組成の変化からこの脂肪酸は必須脂肪酸としての機能を有し、かつ脂質、とくに血清および肝臓のトリグリセリド濃度低下効果に優れることを認めた。ついで、PUFAの総量を同じくした油脂[紅花油、アマニ油、Biota油(20:4 8.9%、20:3 4.4%含有)]を10%レベルで含む高コレステロ-ル(CHOL)食で24日間の飼育実験を行い、Biota油はラット血漿CHOL及び肝臓トリグリセリド(TG)濃度の上昇を有意に抑制した。ADPによる血小板凝集にも影響しなかった。両実験の結果から、Biota種子油はプロスタグランジン産生に影響することなしに優れた脂質代謝改善効果を有することが指摘された。 (2)Pinus koraiensis(韓国産松実)種子油中の5c、9c、12cー18:3酸の効果:上記と同様な条件下で松実油(18:3 17.7%含有)の効果を比較検討した。松実油のラット血漿CHOL濃度上昇抑制効果は中間的であったが、血漿及び肝臓TG濃度は低い傾向にあった。大動脈によるプロスタサイクリン(PGI_2)の産生及びADP誘発血小板凝集の程度にも差はなかった。 (3)5c、8c、11c、14cー19:4酸の代謝特性:19:4酸のラット単離肝臓灌流系における代謝効果をアラキドン酸と比較し、ケトン体産生、リポたん白質としての分泌の程度は高く、コレステロ-ル代謝にも特徴的影響を及ぼすことを認め、奇数酸の代謝特性の活用の可能性が示唆された。 2.高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)によるエイコサノイドの分析 蛍光標識法[Prostaglandins、31:71(1986)]がラットにおいても代表的なエイコサノイドの分析に利用できることを確かめた。
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[Publications] M.Sugano and J.H.Lee: "Nutritional and physiological significnance of lipids" J.Dispersion Science and Technology. 10. 643-665 (1989)
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[Publications] I.Ikeda,J.Murakami,T.Oka,M.Sugano,H.Yamada,S.Shinmen: "Comparison of the effects of arachidonic and 5,8,11,14-nonadecatetraenoic acids on lipid secretion and ketogenesis in perfused rat liver" Lipids.