1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470115
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂村 貞夫 北海道大学, 農学部, 教授 (10001372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 英秋 北海道大学, 農学部, 助手 (00185175)
吉原 照彦 北海道大学, 農学部, 講師 (90002071)
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Keywords | チモシーがまの穂病 / Epichloe Iyphina / チョーク / 病害抵抗性機作 / チョコール / チョコール酸 / 抗菌物質 |
Research Abstract |
チモシーがまの穂病(Epichloe typhina)の侵入によって罹病したチモシーは顕著な形態異常をひきおこし、また他の病原菌による二次感染に対する抵抗性を獲得することが知られている。本年度はその抵抗性機作解明の目的で形態異常部位である子座(チョーク)からの抗菌物質の検索を行なった。その結果、セスキテルペン類チョコール酸(1、2)およびチョコール(3〜5)、フェノール酸ラクトン(7)、脂肪酸ラクトン(8)等の文献末記載化合物7種の他、既知抗菌物質11種を単離しその化学構造を決定した。これら抗菌物質の罹病による含量変化や起源等はまだ明らかでないが、抵抗性に一部関与していると考えられる。さらに新規5員環セスキテルペンであるチョコール類の生合性について検討した。すなわち、チョークは形成初期の白色から形成後期は橙黄色へと変化することから両者のチョークに含有するチョコール類を比較した結果、前者のみにモノオール(6)が存在することが判明し、nerolidyl pyrophosphate pathwayにより6が生成し、その後高度に酸素化される生合成ルートが予想された。
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[Publications] Koshino,Hiroyuki: Phytochemistry. 27. 1333-1338 (1988)
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[Publications] Koshino,Hiroyuki: Phytochemistry. 28. 771-772 (1989)
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[Publications] Koshino,Hiroyuki: Agric.Biol.Chem. 53. 789-796 (1989)
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[Publications] Sakamura,Sadao: "Toxins of Phytopathogenic Microorganisms(in Biologically Active Natrual Products)" American Chemical Society(ACS Symposium Series 380), 57-64 (1988)