1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63470134
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
中島 利誠 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (00013152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 昭二郎 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (20013196)
駒城 素子 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (10077480)
仲西 正 お茶の水女子大学, 家政学部, 助手 (90198143)
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Keywords | 汗 / 消臭 / 温熱生理 / 着心地 / 衣服 / アラミド |
Research Abstract |
中島は各種衣料を用いて発汗実験を行い、重ね着の仕方による発汗と、汗の蒸発の違いならびに生理的計測値と感覚量との対応について検討した。この過程で脈波計を使用し皮膚血流量の変化を測定している。 小川は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、汗成分中の汚れの主原因と考えられる不飽和結合をもつ成分、すなわち紫外線領域に吸収を持つ成分の分析を試みた。カラムは巨大網状強塩基性イオン交換樹脂およびODSを用い、エクリン腺から採取した汗を分析した。まず280nnの単一波長で検出したところODSを用いた方が再現性のよいクロマトグラムが得られた。その結果、クロマトグラムに個体差がみられること、特に年齢差が関係していると考えられる結果が得られた。また、放置した汗の経時変化、繊維への吸着後の変化もみられた。更に多波長検出器による三次元クロマトグラムを測定することにより、各ピーク成分の紫外線吸収スペクトルが得られた。今年度は測定条件の探索にとどまったが、今後、汗成分の同定を行っていく。 また、小川は汗中の臭いの原因の一つになっているアンモニアガスを除去するアラミド繊維の開発も行った。アラミドはその特有の分子構造により金属イオンを強く吸着するが、鉄吸着アラミドはアンモニアおよび有機アミンに対し高い消臭効果をもつことがわかった。すなわち、0.5gの繊維が5l容器中の240ppmのアンモニア、36ppmのトリメチルアミンを除去することを見出した。申請した原子吸光スペクトル装置を用い、鉄吸着量を測定したところ、消臭効果は鉄吸着量に必ずしも比例せず、最表面の鉄の量が効果を持つと考えられる。 また、駒城、仲西もそれぞれの分担課題に対して実施計画に沿って研究を行っている。
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[Publications] 菅井清美;中島利誠: 日本生気象学会誌. 25. 3-9 (1988)
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[Publications] K.SUGAI;T.NAKAJIMA: 繊維学会誌. 44. T204-T211 (1988)
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[Publications] K.SUGAI;T.NAKAJIMA: 繊維学会誌. 45. (1989)
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[Publications] 菅井清美;中島利誠: 日本生気象学会雑誌. 26. 5-13 (1989)
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[Publications] 三ツ井紀子;中島利誠: 日本生気象学会雑誌. 26. 41-48 (1989)