1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
重井 陸夫 東京大学, 理学部, 講師 (60011566)
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Keywords | ヒトデ / 分類 / 生物地理 / 豊後水道 / 伊予灘 / 相模灘 / 新種 / ハダカモミジ属 |
Research Abstract |
本年度のフィールドワークは、豊後水道両岸(国東、日豊海岸、宇和海、西海、竜串方面)、瀬戸内海西部(伊予灘、中島方面)、紀伊水道(室戸、宍喰、海南、白浜、串本)、駿河湾(大瀬崎)、相模湾東部(城ケ島沖、三崎、葉山)、房総半島南部(安房小湊)、本州北西部(深浦)で行った。標本採集と調査の方法としては、小型漁船による底引き、仕掛網、ドレッジ、スキューバダイビング、及び徒手によった。その際得られた標本の分類学的研究結果と生物地理学的考察は現在、取りまとめ中である。一方、デスクワークとして、相模湾とその近海を対象として、これまでに既に収蔵している次の様な標本シリーズの調査を行った:(A)蒼鷹丸(水産庁・東海区水研)が1956年から1977年まで、22年間にわたって、相模湾全域及び相模灘の陸棚〜漸深海底帯域(水深20〜1,540m)よりビームトロール、ドレッジによって採集した標本、約1,000点。(B)東大三崎臨海実験所において、1932年から1989年の間に沿岸域〜陸棚上部域(水深7〜120m)より得られている標本、約200点。(C)小型漁船によって、沿岸域〜陸棚上部域(水深10〜450m)より採集された標本、約50点。(D)スキューバダイビングによって、沿岸域(水深3〜20m)より得られた標本、約40点。(E)その他の標本、約300点。これらの標本の分類学的研究の結果として、7目、13科、40属、78種が査定された。その内、次の属に属する7種は未記載種であった。Dipsacaster、Astropecten、Solaster、Pteraster。この他に、研究協力者(佐波)と共同で熊野灘の浅海〜陸棚斜面域(水深約400m)より得られた標本に基づき、55種の分類学的リスト作成を試みた。なお、明年度もほぼ同様の方法で研究を進めたいが、分類学的知見がより深まるに伴い、形態学のみならず、アイソザイムの電気泳動パターン解析によるアプローチをも研究協力者(松岡)と準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.SHIGEI: Zoological Science. 5. 1337-1337 (1988)
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[Publications] T.Matsumura;M.Shigei: "Collagen biochemistry and the phylogeny of echinoderms(In,Echinodern phylogeny and evolutinary biology:ed.Paul & Smith)" Oxford University Press, 43-52 (1988)