1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480031
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小合 龍夫 岡山大学, 農学部, 教授 (40032536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 幹夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80127571)
高村 泰雄 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30026372)
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Keywords | イグサ科植物 / 花芽形成誘導要因 / 斑入りイグサ / イグサの着花率 |
Research Abstract |
本年度は、イグサ科植物の栄養体および種子の収集、および今日までに実施した栽培イグサについての各種試験データの解析による花芽形成誘導要因の推定を中心に研究を進めるとともに、環境試験装置を用い人工的に温度、湿度および日長を制御して花芽形成誘導要因を実験的に特定するための準備を行い、現在はその実験材料の育成を行っている。 本研究を進めるにあたっては、花芽形成が確実に生じるイグサ植物材料を必要とするが、本年度の野生イグサの収集では、採集地において、ほぼ全茎に着花が確認できた野性イグサ株を得ることができ、また肉眼では判定できない程度であっても、花芽が形成された場合には、その部位より下部には斑が入らない斑入りイグサ株を入手できた。この斑入りイグサは、花芽の形成発育過程を追跡観察する上で、極めて有用な材料になるものと考えられる。 花芽形成誘導要因については、栽培イグサの各生育時期の水・地温をかえた場合、品種と栽植密度をかえた場合、および栽培地を異にした場合等の着花率に関する実験データを解析した。その結果、着花率が低い分ゲつ型品種でも栽植密度が高く一株茎数が少ない場合、あるいはジベレリン処理し茎の伸長を促した場合には着花率が増大することが明らかになるとともに、慣行栽培の中にあって花芽形成が誘導されうる感受性をもつ時期は2月中下旬以降であること、また温度については、イグサがより低温に遭遇した場合に花芽形成が誘導されること等が推定された。従って、本年度ガラス室内で材料育成中に長日処理を行った上述の野性イグサにも着花がみとめられたことを考え合わせると、現段階では、低温化および長日が花芽形成の引金として関与しているものと推察された。
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