1989 Fiscal Year Annual Research Report
5S rRNAの塩基配列に基づくコリネフォルムおよび類縁細菌の系統分類学的研究
Project/Area Number |
63480057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 純多 東京大学, 応用微生物研究所, 教授 (80142256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健一朗 理化学研究所, ライフサイエンス培養生物部, 研究員
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Keywords | Tsukamurella / 系統分類学 / コリネフォルム細菌 / 5S rRNA |
Research Abstract |
研究対象として、ミコ-ル酸を持つ細菌群に焦点を当てた。未同定のグラム陽性桿筋33株について化学分類学的手法を用いてグル-ピングを行ったところ、細胞壁にmeso-ジアミノピメリン酸を含有し、菌体脂肪酸が直鎖型のものは13株であった。これらは細胞壁のアシルタイプでグル-プ1(グリコリル型)とグル-プ2(アシル型)に二分された。しかし、それらのメナキノンタイプを調べたところ、MK-8(H_2)、MK-9(H_2)、MK-9が見いだされ、グル-プ1ではそれぞれ1株、1株、6株、グル-プ2ではそれぞれ3株、1株、1株と分散した結果が得られた。属との対応を検討したところ、Rhodococcus 属が1株、Corynebacterium 属が4株、Mycobacterium 属またはGordona属が1株、そしてTsukamurella 属が6株であった。Tsukamurella 属は、現在T・Paurometabol-um1種しか知られておらず、分離例も少ないため、属の範囲を把握するために新たな菌株が追加できたことは有意義であると考えられる。さらにこれらの分離株について生理・生化学試験を行った。これによりグル-ピングはさらに細分化された。グル-プ1のMK-9を持つ6株と、グル-プ2でMK-9を持つ1株は極めて類似した結果を示し、細胞壁アシルタイプによる分類に疑問を投じた。したがってこれらの分類指標を系統分類学的解析によって評価するための対象とする菌株の絞り込みができたことになる。また、Mycobacterium属の基準株を、レファレンスとするために収集した。現在これらの菌株について5S rRNAの塩基配列を決定するために大量培養および菌体の調整を行っている。
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