1988 Fiscal Year Annual Research Report
Orienting movementにおける頚運動制御の中枢機序の解析
Project/Area Number |
63480104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 成人 東京大学, 医学部, 助教授 (50110490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 義輝 東京大学, 医学部, 助手 (50184908)
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Keywords | 指向運動 / 頚運動 / Forel野 / 橋・延髄網様体 |
Research Abstract |
Forel野(FFH)ニューロンと頚筋運動ニューロンとの結合を調べ以下の結果を得た。 1.HRPを1側のC2脊髄節に注入すると同側のFFHの中・大型の細胞が選択的に標識された。 2.逆行性スパイクを指標としてFFHニューロンの脊髄投射レベルを調べると、大部分(88%)はC1-C3脊髄節に終止し、C7脊髄節まで下行するものは17%であった。 3.微小電流刺激により誘発される逆行性スパイクを指標としてFFHニューロンの軸索投射を調べた結果、主軸索は前索内側を下行し、軸索側枝を前角の頚運動核及びその周辺のVII-VIII層に派生していることが分った。 4.頚筋運動ニューロンより細胞内記録を行いFFHの刺激効果を調べた。小さな(約200μV)単シナプスEPSPがほぼ選択的に頭の挙上筋(BCC)に誘発され、頭の側方屈筋(SPL)にはほとんど誘発されなかった。刺激有効部位はFFHに限局していた。 5.FFHに2〜3発の反復刺激を与えると、単シナプスEPSPの外に2シナプス性EPSPが誘発された。この効果は単シナプス性EPSPと同様にBCC運動ニューロンに特異的であり、以下の6、7の理由で橋・延髄網様体脊髄路細胞(RSN)を介することが分った。 6.HRPを橋・延髄網様体(PMRF)に注入するとFFHの大部分のニューロンが標識された。 7.微小電流刺激法によりFFHニューロンが橋・延髄網様体(PMRF)に豊富に分枝することがわかった。FFHを刺激するとPMRFのRSNに高頻度に単シナプスEPSPが記録された。この結合は、spike triggered averaging法で確認された。PMRFのRSNが頚筋運動ニューロンと直接結合することをすでに明らかにしているので、上記の2シナプスEPSPはRSNを介すると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Isa,T.;Sasaki,S.: Neurosci.Lett.87. 233-239 (1988)
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[Publications] Isa,T.;Itouji,T.;Sasaki,S.: Neurosci.Lett.90. 89-94 (1988)
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[Publications] Isa,T.;Itouji,T.;Nakao,S.;Sasaki,S.: Neurosci.Lett.90. 95-99 (1988)
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[Publications] Iwamoto,Y.;Sasaki,S.;Suzuki,I.: Progress in Brain Research(O.Pompeiano & J.H.J.Allum Eds.)Elsevier. 76. 97-108 (1988)