1989 Fiscal Year Annual Research Report
流行性非A非B型肝炎のかにくいざる感染実験とウイルスの分離
Project/Area Number |
63480146
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
志方 俊夫 日本大学, 医学部, 教授 (50009932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 貢 日本大学, 医学部, 助手 (10190315)
鈴木 高祐 日本大学, 医学部, 講師 (00158974)
江角 真理子 日本大学, 医学部, 助教授 (60160363)
内田 俊和 日本大学, 医学部, 助教授 (80060078)
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Keywords | 非A非B型肝炎 / 流行性の非A非B型肝炎 / E型肝炎 / かにくいざる感染実験 / PCR法 / ウイルス血症 |
Research Abstract |
流行性の非A非B型肝炎の感染実験は従来マモセットを使用して必ずしもコンスタントな結果は得られなかった。しかし実験動物としてかにくいざるを使用しはじめたところ、十分なウィルス量を経静脈的に接種すると100%感染が成立することが明らかになった。潜状期はだいたい3週間でトランスアミナ-ゼが上昇する。症例によりこのトランスアミナ-ゼの上昇前に小さいトランスアミナ-ゼの上昇があり二峰性になるもがある。トランスアミナ-ゼのピ-クまでの10日間ぐらい胆汁中にウイルスの排出がみられる。この時期の糞便抽出液を使った継代実験を行った。この材料を経静脈的に接種するかぎり継代感染はほぼ100%成立して現在まで三代の継代が終った。胆汁中のウイルスは初めばらばらに散在しているが、やがて凝集して見られるようになる。これは分泌型の1gAによるものと考えられる。末期にはエムプティのウイルス粒子が増えてくる。ウイルスの大きさは27nmである。感染防御抗体は一応出来るようで急性肝炎から回復後数カ月して感染材料を再接種しても感染は成立しない。既にウイルス遺伝子のクロ-ニングに成功しまたPCRアッセイ系も確立した。このPGR法による核酸アッセイ系でかにくいざるの血液を経時的に調べると、丁度ウイルスを胆汁に排出している時期にウイルス血症が見られることが判明した。またこの血清を用いて次の猿への継代を試みたが感染が成立した。現在の事経口感染実験には成功していない。 今後胆汁から精製したウイルス抗原、或はレコンビナントのウイルス抗原を使用して抗体のアッセイ系を確立して世界中で血清疫学的研究を行わなければならない。また培養細胞での増殖を試み将来のワクチン開発に備えなければならない。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 志方俊夫: "非A非B型肝炎ウイルスに対する免疫応答" 臨床免疫. 21. 531-541 (1989)
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[Publications] 内田俊和: "トランフフェクション" 肝胆膵. 19. 971-975 (1989)
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[Publications] 志方俊夫: "非A非B型肝炎" 臨床科学. 25. 827-834 (1989)
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[Publications] 前野貢: "C型肝炎ウイルス変異株の分離とその意義" 日本臨床. 48. 21-26 (1990)