1989 Fiscal Year Annual Research Report
神経系、筋肉、循環器、呼吸器など各種疾患における睡眠呼吸障害の実態に関する研究
Project/Area Number |
63480213
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
末次 勸 藤田学園保健衛生大学, 医学部・内科, 教授 (00084517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 博樹 藤田学園保健衛生大学, 医学部・内科, 講師 (90125112)
佐賀 務 藤田学園保健衛生大学, 医学部・内科, 講師 (70135060)
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Keywords | 睡眠呼吸障害 / 睡眠無呼吸 / 睡眠ポリグラフィ- / 終夜ポリグラフィ- / 終夜モニタ- / 中枢型睡眠無呼吸 / 閉塞型睡眠無呼吸 / 混合型睡眠無呼吸 |
Research Abstract |
アプノモニタ-と精密睡眠ポリグラフィ-を睡眠無呼吸症候群(SAS)2例と肺気腫1例に対して同時に実施した。両装置の成績を比較すると、おおむねアプノモニタ-でも無呼吸をよく検出するが、全く一致しない症例も認められた。さらに当然ではあるが無呼吸を伴わない酸素飽和度低下を検出することができないことが判明した。 試作睡眠呼吸障害スクリ-ニング装置(試作装置)は、パルスオキシメ-タ-によるSaO_2およびサ-ミスタ-による両鼻孔と口の呼吸気流を一括して連続記録できる装置を組んだ。SASI例と肺結核後遺症(右胸郭成形術後)1例を対象として精密睡眠ポリグラフィ-と同時に実施した。両装置の成績を比較すると、無呼吸に関する成績はよく一致した。さらに試作装置は酸素飽和度低下に関する成績が得られるため、アプノモニタ-ではできなかった無呼吸以外の睡眠呼吸障害の検出もできた。かつ精密法の結果と極めて良好な一致を示した。 試作装置とアプノモニタ-による検査を、正常者5例、SAS疑い13例および無呼吸を伴わない睡眠呼吸障害疑い5例を対象として実施した。正常者群の成績は、両装置ともよく一致していた。SAS疑い群では10例が実際にSASであり、診断については両装置間で一致していた。しかし、無呼吸回数ないし無呼吸指数を個々に検討すると、アプノモニタ-では無呼吸中に拾う雑音(体動によるものと思われる)を気管音と誤認するために無呼吸を過小評価し、あるいは逆に長く続く低換気を無呼吸と認識して過大評価したと推定される場合が認められた。さらに、当然ながら試作装置では無呼吸を伴わない酸素飽和度の低下も感知するため、無呼吸以外の睡眠呼吸障害の検出が可能であることが判明した。 対象症例数がまだ少なく、また試作装置のさらに小型軽量化などの課題も残しており、今後も研究を継続して実施する予定である。
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