1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480223
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 康美 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60010419)
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Keywords | percutaneous angioscopy / dilated cardiomyopathy / acute myocarditis / old myocardial infarction / angina pectoris / left ventricle / aortic valve / mitral valve |
Research Abstract |
平成2年度は、平成元年度にひきつづき臨床的に心臓内腔や弁を経皮経管的に観察しうるか否かを正常例6例、拡張型心筋症13例、急性心筋炎4例、リウマチ性大動弁疾患例、リウマチ性僧帽弁疾患例、陳旧性心筋梗塞例、狭心症例を中心に検討した。その結果:(1)左心室内腔は正常例では褐色ないしは赤褐色を呈すること、拡張型心筋症では黄色、白色、淡褐色などさまざまであること、生検との対比の結果、黄色や白色は線維化によることが判明した。また、急性心筋炎では赤色、ピンク色、赤褐色などを呈すること、赤色部位では円形細胞浸潤が組織学的にみられること、などが明らかとなった。また、陳旧性心筋梗塞部位も白色を呈すること、狭心症の有意狭窄冠動脈支配下領域では淡褐色を呈することが多いことも明らかにし得た。(3)大動脈弁については、リウマチ性閉鎖不全や狭窄症では弁尖の肥厚や黄色化がみられ、僧帽弁についてもリウマチ性弁膜症では同様の所見がみられた。合併症はなかった。 以上の成績から、経皮経管的血管内視鏡により、比較的安全に、心内腔や弁の病変を肉眼的に把握しうると判断された。
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