1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480246
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Research Institution | Kitasato University School of Medicine |
Principal Investigator |
西岡 清 北里大学, 医学部, 助教授 (20077647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横関 博雄 北里大学, 医学部, 助手 (90210608)
衛藤 光 北里大学, 医学部, 講師 (20137920)
片山 一朗 北里大学, 医学部, 講師 (80191980)
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Keywords | 表皮サイトカイン / 乾癬 / IL1 / IL6 / インサイチュ・ハイブリダイゼ-ション |
Research Abstract |
表皮サイトカインの役割を明らかにするため、昨年度の研究過程で開発したmRNAをin situで検出する方法を用いて、表皮細胞の増殖をきたす炎症性皮膚疾患の代表である尋常性乾癬でのインタ-ロイキン(IL)1、IL6、IL6受容体産生の動態を検討した。正常表皮ではIL1のmRNAは発現されていたが、IL6、IL6RのmRNAは発現されていなかった。これに対して、乾癬患者の無疾部表皮では、IL1、IL6、IL6RのmRNA共に発現されており、無疾部から乾癬病巣への移行部で、IL6、IL6RのmRNAの発現が増強され、完成された乾癬病巣部ではIL1のmRNAは消失、IL6のmRNAの発現も減弱する傾向を示し、IL6RのmRNAの発現も消失する傾向を示した。また、抗IL6、抗IL6R単クロ-ン抗体を用いた乾癬組織の染色にて、乾癬の移行部と病巣部にIL6分子を、乾癬の移行部のみにIL6R分子を検出しえた。以上の結果から、IL1は乾癬の病巣形成と逆平行して減弱し、IL6は乾癬の病巣形成に平行して増加を示したのち、病巣が形成されるとともに減弱する傾向を示し、同様の傾向がIL6R出現にも認められていることから、IL6ならびにその受容体であるIL6Rが乾癬病巣形成に重要な役割を果すことが示唆された。 今回、表皮サイトカインが重要な働きをもつと考えられる乾癬において、その動態を検討し、非常に興味ある結果が得られたが、乾癬以外の種々の炎症性皮膚疾患においても、表皮サイトカインが何らかの形で体用していることが予測される。それらについて今後検討を加えていく予定である。
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[Publications] Nishioka K,Funato T,Sato Y,Eto H,Katayama I,Nishiyama S.: "Production of interleukin 1 alpha by a trichilemmoma cell line" Journal of Dermatology. (1990)