1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480250
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 淳二 京都大学, 医学部, 教授 (70026970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 孝夫 京都大学, 医学部, 助手 (40093322)
佐治 英郎 京都大学, 薬学部, 助教授 (40115853)
米倉 義晴 京都大学, 医学部, 講師 (60135572)
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Keywords | 脳受容体 / 核医学イメージング / ポジトロンCT / シングルフォトンECT / ラジオアイソトープ |
Research Abstract |
本研究は、受容体、特にドーパミン(DA)およびオピオイド(OD)受容体に着目し、その機能の定量的評価を試みるとともに、それに基ずく脳神経疾患の核医学的診断法の確立を目的としている。そのためには、各受容体に高い親和性を有する化合物を、核医学診断に適した物理的性質をもつ^<11>C、^<13>N、^<18>F、^<123>Iなどの短半減期核種を用いて、高比放射能状態で効率よく標識し、それら標識体の動物での体内動態を種々の条件下で検討することが基本的に必要である。本年度においては、まず、最近臨床での有用性が検討されはじめたDA受容体(DAR)マッピング剤^<11>CーNーメチルスピペロン(NMSP)およびOD受容体(ODR)マッピング剤^<11>Cーカフェンタニル(CF)の合成を試み、ターゲット、^<11>CO_2反応時の溶媒、^<11>Cーメチル化反応などを工夫することにより、200〜500mCi/μmol程度の高比放射能体をルーチン的に得る方法を見い出した。また、これらの化合物をマウスに投与し、その体内分布、特に局所脳内分布挙動を調べたところ、^<11>CーNMSPは線条体^<11>CーCFは大脳皮質や線条体などに高く集積するとともに、それらの集積は各々の受容体に対する拮抗薬の投与で著しく低下することを見い出し、^<11>CーNMSP、^<11>CーCFの受容体マッピング剤としての有効性を認めた。現在、これら化合物の臨床使用のための無菌合成、分離・精製の自動化を試みている。一方、受容体結合性RI化合物の動態を通して、受容体機能の定量的評価を行う方法の開発を目的として、まずオートラジオグラフィ(ARG)による画像解析を計画した。そのために現在までにARG画像解析装置を設置し、これを用いて^<14>Cーデオキシグルコース(DG)による局所脳糖代謝率の算出システムを確立した。さらに、このシステムを利用して、種々の受容体作用薬の投与による局所糖代謝率の変化を調べている。また、^3Hースピペロンをモデル化合物として、ARG画像解析による受容体への特異的結合率の評価法を検討している。
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