1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480301
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
谷川 允彦 福井医科大学, 医学部, 助教授 (00111956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康嗣 福井医科大学, 医学部, 助手 (10197139)
井上 弘 福井医科大学, 医学部, 助手 (90184770)
丸橋 和弘 福井医科大学, 医学部, 助手 (60165941)
村岡 隆介 福井医科大学, 医学部, 教授 (10026924)
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Keywords | 剤型修飾制癌剤 / リンパ移行 / 組織滞留性 / 制癌剤エマルジョン / 油中微粒子型エマルジョン / リンパ管腫 / Mitomycin C-Dextran抱合体 / 局所投与 |
Research Abstract |
下記の二種類の剤型修飾制癌剤を調製して各種腫瘍病変への局所投与を施行して、その有用性の有無を基礎的・臨床的に検討してきた。 ◇制癌剤の油脂エマルジョン化;種々の型の油脂エマルジョンの薬剤学的安定性の検討から、水相にゲラチン小粒子を含む油中微粒子(Microsphere-in-oil)型エマルジョンが通常の油中水(Water-in-oil)型エマルジョンより安定であることを明らかにし、その油中微粒子型ブレオマイシン・エマルジョンを家兎VX2腫瘍のリンパ節転移モデルにおいて制癌剤のエマルジョン化がリンパ節移行・制癌剤滞留性を促進することを明確にしてきた。そうした基礎実験の結果にもとずいて、制癌剤エマルジョンの局所投与をリンパ管腫症例32例、及び進行消化器癌症例14例に対して行ってきた。現在までのところ、それら治療成績は良好であり、更に症例の蓄積を計ってより詳細に検討する予定である。 ◇Mitomycin C-Dextran抱合体;Mitomycin Cに分子量約1万、7万、50万のDextranを重量比10:1の割合でスペーサーを介して共有結合させることにより抱合体を作製するが、ラットやマウスを用いた基礎研究により、Dextranの分子量が1万、7万、50万と上昇するに従い大腿筋肉内に投与されたMitomycin Cの所属リンパ節への移行が増大すると同時に、リンパ節転移モデルにおいてMitomycin Cの活性を示さず、そのため局所投与が可能となる。こうした基礎事実を踏まえて、臨床への応用を開始した。手術的に完全摘除が不可能な進行癌症例14例に対して局所投与を行ってきたが、その内の8例において、原発巣の縮小(PR)、腹水減少、腫瘍マーカーの有意な減少など明確な臨床効果を認めている。更に適用症例を蓄種して検討中である。
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Research Products
(2 results)