1990 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓癌に使用するTAE法と併用する徐放性多剤併用抗腫瘍剤カプセルに関する研究
Project/Area Number |
63480313
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山田 明夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (80075267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 則子 東京女子医大, 医用工学研究施設, 助手 (50107314)
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Keywords | TAE法 / リピオド-ルウルトラフルイド / 肝臓癌 / 徐放性多剤併用抗腫瘍カプセル / 針状のカプセル / 放射線重合 |
Research Abstract |
1)肝臓癌を有する白色ウサギに対するTAE法と併用する多剤併用抗腫瘍剤針状カプセルの検討: 白色家兎の肝左葉皮膜内にツベルクリン針を用いて注射し、VX_2肝腫瘍を作製した。超音波による発育状態の観察により、超音波画像が最大横径20mm前後になった時点(腫瘍移植度10〜14日)で8羽の家兎の固有肝脈にポリエチレンチュ-ブに31ゲ-ジの針をつけた動注用針を用いて、1.0mlのLipiodolを15秒前後かけて動注した。この時、肝右葉への脈管系は一時的にテ-ピングして遮断した。そのうちの4羽については抗腫瘍カプセルを腫瘍表面に刺入、移植した。(動注群および併用群。)また残りの4羽については、何ら処置をせずに閉腹した(対照群)。対照群は14日目では4羽とも死亡した。動注群では対照群に比較して、やや発育は緩徐であったが差を認めなかった。併用群では、対照群および動注群に比較して発育は緩徐であり、抗腫瘍カプセルとLipiodol動注併用の効果を示唆する成績が得られた。効果は治療後7〜10日前後にみられるように思う。 担癌白色ウサギの生存率: 治療効果に関して担癌家兎の治療後14日目における生存率をみた。対照群では0%、動注群では50%、併用群では75%であり、生存率からも前述の併用効果を裏付ける成績がえられた。 2)TAE法と併用する制癌剤マイクロカプセルの臨床応用: 患者54才男性で肝転移を併ったBorrmon II型の進行性胃韓と診断し、手術を施行した。胃切除後、TAE法と抗腫瘍カプセルセ併用を行った。肝の転移性腫瘍の2ケ所に12本の針状カプセル(各薬剤60mg)を刺入した。術後2週間目超音波検査では、肝腫瘍の内部エコ-は低エコ-レベルとなっており、腫瘍が一部壊死性変性を起こしている。また術後3週目のCT検査では針状カプセルの刺入した外側区域の腫瘍は明らかに縮少した。
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