1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63480338
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
立野 勝彦 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (40092788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
洲崎 俊男 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助手 (40171194)
染矢 冨士子 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (60187903)
灰田 信英 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (00135089)
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Keywords | 癈用性筋萎縮 / 運動負荷 / 収縮蛋白質の変性 / SDS-PAGE / 軸索輸送 / 分子量65,000 |
Research Abstract |
今年度は、癈用によるラットヒラメ筋萎縮に対する運動負荷の影響について、形態学的、生化学的に検索した。形態学的検索は、ミオシンATPase染色および電顕的に、そして生化学的にはヒラメ筋への〔^<33>S〕注入による坐骨神経への取り込みをSDS-PAGEで観察した。 1.癈用および運動負荷に対する細細胞の形態学的変化 ミオシンATPase染色での速筋細胞と遅筋細胞での分別では、両細胞ともほぼ同程度に萎縮が起き、タイプによる特異性は認められなかった。20分/日の走行運動を実施すると萎縮の発現を抑止することが可能であった。電顕的には癈用に伴い、上述と同様にタイプによる特異性は見られず、筋細線維の崩壊、Z帯の断裂などの収縮蛋白の変性のみならず、ミトコンドリア、筋小胞体、グリコ-ゲン顆粒などの代謝系にも傷害が観察された。また運動終板は、神経原性の各種の形態異常が認められた。しかし、運動負荷では、これらの所見は観察されなかった。 2.癈用に伴う筋からの逆行性蛋白について 筋から神経への逆行性輸送物質は分子量65KDaのポリペプチドであり、速筋細胞と遅筋細胞ともに同一の物質である。癈用および運動負荷に伴う輸送物質の速度と量については、現在検索中である。 以上より、筋萎縮は速筋細胞と遅筋細胞ともに同程度に発現し、運動により発現を抑止できる。これを調節している因子として、分子量65KDaのポリペプチドの関与が示唆される。
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[Publications] 染矢冨士子,立野勝彦: "末梢神経再生時にみられた筋からの逆行性蛋白について" リハビリテ-ション医学. 27. (1990)
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[Publications] 灰田信英: "癈用性筋萎縮とそれに対する運動負荷の影響" 金沢大学十全医学会雑誌. 99. (1990)