1988 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学を用いたHCG遺伝子における生理活性部位の同定
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63480367
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷澤 修 大阪大学, 医学部, 教授 (30028443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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Keywords | ヒト絨毛性ゴナドトロビン / α鎖、β鎖 / CAGY領域 / point mutation / in vitro transcription and transletion |
Research Abstract |
1.ヒト絨毛性ゴナドトロビン(human chorionic gonadotropin;hCG)のα鎖のcDNA及びβ鎖cDNAをブルースクリプトベクターに挿入し、recloningした。 2.hCGβ鎖のCAGY領域に対応するcDNAの部位に、塩基置換による、pointmutationを、合成oligoprimerを用いたin vitro mutagenesis systemにより挿入し、合計4種類のmutantβ cDNAを合成した。4種類の塩基置換は、アミノ酸レベルにおいて、CAGY領域のAlanineをAsparatic acidに、GlysineをArginine及びAsparatic acidに、TyrosineをHistidineに変換するものである。mutartionの挿入効率及びmutant cDNAのrecloningにおける回収効率においては、正常と4種類のmutant cDNA間には差を認めなかった。 3.正常β鎖cDNA、α鎖cDNA及び2で合成recloningした各mutantβ cDNAに対応するmRNAを、RNA palyineiaseを用い、in vitro transcriptionの系で合成した。約5IUのNNAポリメレーヌによりモル比換算でtemplate DNAの約5〜10倍のmRNAが合成される事が確認された。正常hCGβ cDNAと各mutant hCGβ cDNAにおけるmRNAの合成には差が認められなかった。 4.3で合成されたα鎖とβ鎖のmRNA混合物をXenopusの卵母細胞に微量注入し、卵培養上清中のhCGの濃度をEnzyvne immuno assay(EIA)で定量し、生理活性と、ラット精巣間質細胞のtestosterone産生能で調べた。その結果生理活性を有するhCGがXenopusの卵母細胞の培養上清中に分泌されている事が確認された。現在、3.4のin vitro transcription,translationの系を用い、hCGβ鎖のcAGY部位におけるmutationがα鎖とβ鎖の結合及び生理活性に及ぼす影響について正常hCGと比較することにより解析を進めている。
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